ひざ痛チャンネル編集部
2018-05-25

膝下の痛みは原因の多くが「使いすぎ」かも!正しい対処法を動画解説

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膝下の痛みは原因の多くが「使いすぎ」かも!正しい対処法を動画解説

膝下に痛みがあるんだけど、これって何かの病気かな? 膝下が痛いと子供が訴えているけど、何が原因なの? こんな不安はありませんか?

膝下の痛みは、使いすぎ(オーバーユース)で発症する疾患が原因であることが多いと考えられます。この記事では、そうした疾患の解説に加え、ただじっとしているだけではない、自分でできる対処法も併せてご紹介。これを読んで対処すれば、しつこい膝下の痛みも改善できるはずです。

 

「膝下が痛い」原因の多くはオーバーユース

オーバーユースとは、筋肉や靭帯を使いすぎることで特定の部位に負荷がかかり続け、痛みや違和感といった不調が現れるもの。別名を使いすぎ症候群とも言います。膝下に痛みが出る疾患の多くは、オーバーユースが原因と考えられます。

 

膝下の痛みで考えられる5つの疾患

オーバーユースが原因と考えられるのが、下記の5つの疾患。いずれも膝下に痛みをもたらします。思い当たる症状がないか、チェックしてみましょう。

 

①膝のお皿の下が痛い「膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)」

膝蓋靭帯炎とは

膝蓋靭帯(しつがいじんたい)とは、膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)と、すねの脛骨(けいこつ)結ぶ靭帯で、膝の曲げ伸ばしに伴い伸びたり戻ったりします。その際の負荷が蓄積されることによって炎症が起き、痛みが生じる疾患が、膝蓋靭帯炎です。

この疾患は別名をジャンパー膝とも言います。バレーボールやバスケットボールなどのジャンプを繰り返すスポーツで起こりやすく、また、小さなジャンプ動作を繰り返すランニングでの発症も見られます。中でも、10〜20代の男性に多いのが特徴。激しい運動を無理に続けると症状が悪化するため、安静にすることが必要です。

膝蓋靭帯炎の主な症状

  • 膝を曲げると膝下に痛みが出る
  • 運動中と運動後、膝下に痛みが出る
  • 膝下が腫れたり、熱を持ったりすることがある

 

②子供に多い膝下の痛み「オスグッド病」

オスグッド病とは

正式名称は、オスグッド・シュラッター病と言います。10~15歳の子供に起こりやすいこともあって「成長痛」と思われがちですが、実はそうではありません。レントゲン検査をすれば異常が確認できるため、オスグッド病とはっきり診断されるでしょう。

オスグッド病は、膝蓋靭帯と脛骨の結節部(結ばれた部分)が剥離(はくり)する疾患です。激しい運動によって膝蓋靭帯から脛骨にかかる負荷が大きくなると、膝蓋靭帯が脛骨の軟骨ごと剥がれてしまいます。10〜15歳の子供に多いのは、脛骨が軟骨から硬い骨へと成長している最中で、まだ大きな負荷に耐える準備ができていない状態だからと言えるでしょう。

通常であれば成長とともに自然治癒することが多いですが、剥離した骨の影響で、大人になっても痛みが続くこともあります。

オスグッド病の主な症状

  • 膝を曲げると膝下に痛みが出る
  • 膝のお皿の下に痛みが出る
  • 膝のお皿の下が硬く盛り上がる

 

③膝下の外側に痛みが出る「腸脛靭帯炎」

腸脛靭帯炎とは

ランニングをする方やロードバイクに乗る方に多い疾患で、別名「ランナー膝」とも呼ばれます。腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)とは、太ももから脛(すね)上部までの外側に位置する靭帯で、太ももの筋肉である大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)が、途中から移行したものです。

ランニングや自転車に乗るときの動作では、大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか:膝の外側にある骨の出っ張り)の上を腸脛靭帯が前後に動きます。このときの骨と靭帯の摩擦によって、部分的に炎症を起こしてしまった状態が腸脛靭帯炎。膝のお皿のすぐ外側から、膝下の外側にかけて痛みが出ます。

腸脛靭帯炎の主な症状

  • ランニングに伴う膝下の外側の痛み
  • 圧痛がある(押すと痛む)

 

④膝下の内側に痛みが出る「鵞足炎」

鵞足炎とは

膝の内側には、縫工筋、半腱様筋、薄筋という3種類の太ももの筋肉とすねの脛骨をつなぐ腱が集まっています。この部位の形が鵞鳥(ガチョウ)の足の形とよく似ていることから、鵞足(がそく)と呼ばれるようになりました。

膝の曲げ伸ばしや捻る動きによって、鵞足と脛骨との間に摩擦が生じ、炎症を起こすのが鵞足炎。これによって膝の内側や、その少し下が痛むようになるのです。X脚の場合、発症の可能性がより高いと言われています。

鵞足炎の主な症状

  • 膝の曲げ伸ばしで、膝下の内側が痛む
  • 膝下の内側を押すと痛い
  • 膝に腫れや熱感が見られる

 

⑤運動すると膝下に痛みが出る「疲労骨折」

強い衝撃を受けて起こる骨折とは異なり、オーバーユースなどの小さな負担が蓄積されて骨折することを、疲労骨折と言います。疲労骨折は、足の甲と指の骨をつなぐ中足骨(ちゅうそっこつ)に最も起こりやすく、整形外科学会の発表では37%。膝にはあまり関係ないように思いがちですが、中足骨の次に多いのが意外にもすねの脛骨で、27%を占めるそう。つまり、膝下が痛い原因は疲労骨折、ということも考えられるのです。

また、発症から2〜3週間は、骨折線がレントゲンに写らないことも。脛骨の内側を疲労骨折していると疑われる場合でも、痛みのある位置が鵞足とかぶってしまうと、誤って鵞足炎と診断される可能性があります。ただ、その場合、MRI検査であれば水分量の変化も見ることができるので、早い段階で適確に診断ができます。

疲労骨折の主な症状

  • 運動すると痛む
  • 動いていないときは痛みを感じないことが多い
  • 腫れることもある

 

オーバーユースを引き起こす原因は「筋肉」?

筋力不足は膝の痛みに繋がる!?

5つの疾患、その全ての原因となり得るのがオーバーユース。では、オーバーユースはなぜ起きてしまうのでしょうか? それには、筋肉が関係しています。

 

筋肉が硬い

オーバーユースを起こしやすい「筋肉が硬い」とは、筋肉が常に収縮している状態のこと。筋膜が癒着していたり、筋肉の線維が短かったりすると、筋肉は硬くなってしまうのです。ちなみに、筋肉が硬いと身体のバランスが乱れて歪みも生じるため、身体の間違った使い方(マルユース)をしてしまう原因ともなります。

膝蓋靭帯炎やオスグッド病が10〜20代の比較的若い年代に多いのは、骨が成長するスピードに筋肉が追いつかず、筋肉が張って硬い状態になっているからです。それは結果的に、自分の身体に合わない運動をしてしまうような状態となり、部活動やクラブの練習などで無理をしている間にオーバーユースを引き起こすことがあります。

 

筋力不足

足の筋力には、膝にかかる負担をカバーしてくれる役割があります。筋肉は使うことで収縮しますが、筋力が不足している状態で強く収縮すると、靭帯や腱などの組織は強く引っ張られます。その結果、筋肉以外の組織への負担が増加し、耐えきれなくなると炎症を起こすようになるのです。

しかし、筋力が足りないからといって、オーバーユースで膝下に痛みが出ているときに筋トレをするのはおすすめできません。まずは安静にし、症状が落ち着いてから、再発予防としてトレーニングに取り組みましょう。

 

膝下に痛みがあるときの対処法

膝下の痛み対処法

膝下が痛いとき、どのように対処するのが良いのでしょうか。具体的な方法をお伝えしていきます。

 

冷やす(温める)

スポーツ後を始め、急性の痛みや炎症があると思われるときは、氷のうや保冷剤を用いて30分ほど患部を冷やし、痛みの緩和を図ります。

 

湿布を貼る

湿布の消炎鎮痛作用で、痛みの緩和を図る方法です。アイシングと混同されることがありますが、これらは別物。湿布には、患部を冷やす効果は期待できません。怪我をした直後の応急的な場合、湿布を使うのではなく、氷水などでアイシングするのが望ましいです。

 

サポーターを着ける

膝下サポーター

【出典:Rakuten Global Market】

膝に装着することで膝を安定させ、さらに触圧覚(触られているときに感じる感覚)を刺激します。この感覚への刺激は、痛みの刺激よりも早く脳に伝わるため、サポーターで圧迫感を与えることで、痛みを感じにくくすることができるのです。

画像では膝蓋靭帯炎、オスグッド病、鵞足炎を想定し、膝下にサポーターを装着しています。腸脛靭帯炎の場合、膝上にサポーターを装着するのも効果的です。

ただし、オーバーユースでは安静が第一。スポーツをするためと言うより、サポーターはあくまでリハビリや再発予防で行うストレッチ、筋トレの補助として考えることをおすすめします。

 

テーピングをする

サポーター同様、膝を固定することで膝下の痛みを緩和することができます。色々な種類がありますが、膝は曲げ伸ばし動作が多いため、伸縮性のあるエラスティックテープ、あるいは膝下が痛い原因のひとつである筋肉にアプローチするキネシオテープがおすすめです。キネシオテープには疲労回復をサポートする効果も期待できるため、ケガの再発や予防目的でも使用できます。

 

膝蓋靭帯炎・オスグッド病のテーピング方法

意識する箇所は太もも、膝のお皿の下です。

①まず、足の付け根から膝のお皿の上まで一本貼りましょう。

②膝内側の足の付け根から、膝のお皿を囲うように貼ります。終着はお皿の下辺りです。

③膝外側の足の付け根から、②と同様、お皿を囲んで貼ります。

④最後に、膝のお皿の上側の周囲を囲むように貼りましょう。

※注意すべき点は、テープを密着させることです。しわやたるみがあると効果が半減します。膝のまわりに貼るときは、膝を30度ほど曲げるとよいでしょう。

ジャンパー膝 テーピング 出典:body problem2-min

【出典:body problem】

腸脛靭帯炎のテーピング方法

筋肉に沿って貼ることで、筋肉のスムーズな動きを助けるキネシオテープがおすすめです。太ももの筋肉はとても大きく、お尻のすぐ下まで広がっています。足の付け根までしっかり貼り付けましょう。

①膝は軽く曲げて、つま先を外に向けます。

②膝のお皿の下あたりからスタートし、膝の外側を通って、足の付け根まで伸ばして貼ります。このときお皿に沿って巻き、しわができないように軽く引っ張りながらお尻のあたりまで貼るようにしましょう。

③同様に少し位置をずらしてもう一枚貼ると、さらに効果的です。

ランナー膝 テーピング

【出典:トワテック】

鵞足炎のテーピング方法

①痛みのある位置(鵞足)の真上でテープをクロスさせるように貼ります(画像の黄色テープ)。

②膝の下側、上側それぞれで黄色のテープがクロスしている部分の真上を通るように、テープを貼ります(画像のピンク色テープ)。太もも前側の真ん中あたりまで貼りましょう。

鵞足炎のテーピング

【出典:medicanalife.com】

 

ストレッチをする

オーバーユースが原因で膝下に痛みが起きる疾患は、膝周辺の筋肉をほぐすことで対処・予防が可能です。痛みが強い場合は無理をしてはいけませんが、膝の状態と相談しながら取り入れてみましょう。

 

膝蓋靭帯炎・オスグッド病には、大腿四頭筋のストレッチ

膝蓋靭帯炎やオスグッド病には、太もも前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチが効果的です。立った状態で、どこでも行えるストレッチです。

①ストレッチしたい足の膝を曲げて、足首を手で持ちます。

②その足のかかとを、グッとお尻に近づけましょう。太ももの前側が伸びているのを感じるはずです。

※曲げた膝が身体の前に出ていたり、腰が反ったりしていると、十分な効果が得られません。また、身体の負担になることもあるので注意が必要です。バランスが難しい場合は、壁や椅子、机等に手を添えて支えながらやってもOKです。

 

腸脛靭帯炎には、大腿筋膜張筋のストレッチ

太もも上部の外側にある大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)が硬くなると、そこから移行している腸脛靭帯が過度に引っ張られ、腸脛靭帯炎を発症しやすくなります。大腿筋膜張筋をほぐすことが、腸脛靭帯炎の症状緩和と予防に効果的です。

①ストレッチする足の裏にタオルを掛けます。

②その足と反対の手でタオルを持ち、手のほうへゆっくり足を倒していきます。

③足を頭の方にタオルで引き寄せます。このとき、お尻から太ももの外側が伸びていることを意識しましょう。

※膝が曲がったり背中が浮いたりしないようにしましょう。タオルを持たない手を外に広げ、顔もそちら側へ向けると、背中が浮きにくくなります。

 

鵞足炎には、鵞足筋のストレッチ

縫工筋・半腱様筋・薄筋を合わせた鵞足筋の柔軟性を高めることで、鵞足炎の症状緩和、予防が期待できるストレッチです。座った状態で行うため、TVを見ながらでも、CMの合間にでもできますね。

①ストレッチする足を45度広げ、反対の足の膝を内側に曲げます。

②股関節を折り曲げるように背筋を伸ばしたまま前に倒れていきます。

※膝から太ももの内側が伸びているのが実感できたらOKです。背中が丸まったり、伸ばした足が内側に倒れてしまわないように注意してください。

 

膝下の痛み、無理な運動は禁物

「膝を使いすぎたかな」と心当たりがあったら、まずは安静にするようにしてください。仮えばジャンパー膝の場合、徐々に悪化していく可能性も考えられるため、無理な激しい運動は禁物です。また、ストレッチやテーピングは、あくまで痛みの強くならない範囲で、適度に行うようにしましょう。

痛みがつらい、いつまで経っても治らないといった場合は、オーバーユースではなく、膝蓋骨脱臼(亜脱臼)や膝蓋下脂肪体炎など、別の疾患の可能性も考えられます。迷わず病院を受診してください。

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