膝が痛い!原因を場所ごとに解説

膝の痛みの場所

公開日:2022.08.23
更新日:

一括りに膝の痛みと言ってもその症状や原因は様々。
膝の外側が痛い、内側が痛い、腫れが伴う、水が溜まる、お皿に違和感がある…など、痛みの場所、痛み方、症状はそれぞれ違います。
膝痛を改善するためには、原因をつきとめ、それに合った治療を行うことが大切です。
今回は、痛みの場所から推測できる原因と有効な対処法を、内側・外側・膝上・膝下・膝裏といった場所ごとにご紹介します。現在膝痛にお悩みの方は是非ご参考にしてみてください。

情報提供医師

武藤 真隆 医師

武藤 真隆 医師(名古屋ひざ関節症クリニック 院長)

日本整形外科学会認定 専門医

膝の内側が痛い

膝痛の中でも内側の痛みに悩まれている方は特に多いと言われています。
その理由の一つとして、日本人の骨格や生活習慣からO脚の傾向が強く見られるため、膝の内側に特に負担がかかりやすいためと言われています。
主な要因として考えられる疾患は、鵞足炎、変形性膝関節症、内側半月板損傷などです。鵞足炎はスポーツに伴う使いすぎが原因ですが、変形性膝関節症は加齢に伴う関節内組織の劣化が原因です。内側半月板損傷は、外傷が原因の場合と、加齢に伴う負担の蓄積が原因の場合があります。
以下で詳しくご紹介します。

原因①:鵞足炎(がぞくえん)

鵞足炎の関節図

鵞足とは、膝の内側にある「縫工筋」「半腱様筋」「薄筋」という3種類の筋肉と脛の骨をつないでいる部分の事を指します。この鵞足が炎症を起こしている状態を鵞足炎と言い、膝の曲げ伸ばしやひねる動作で生じる摩擦が原因で起こります。
ランニングやサッカー、水泳などのスポーツで鵞足に過度な負荷がかかることがきっかけで発症することが多いです。
また、鵞足炎は変形性膝関節症の合併症として最も多い疾患でもあります[1]

<鵞足炎で起こる症状>
□ 膝を曲げ伸ばした時に内側が痛む
□ 足を着地させた時に内側が痛む
□ 膝の内側を押すと痛い
□ 膝に腫れや熱感が見られる
□ 屈伸時に引っかかるような違和感

<鵞足炎になりやすい人・原因>
□ 運動時の準備運動や運動後のケアを怠る
□ 過度な運動
□ 体が硬い
□ 肥満傾向の方
□ O脚
□ 変形性膝関節症と診断されている方

原因②:変形性膝関節症

変形性膝関節症の関節図

50代以上で、なおかつ、歩き出し、立ち上がりの際に痛みを感じる場合は、変形性膝関節症の可能性があります。
日本で変形性膝関節症を患う人は約2530万人と言われており、60歳以上の有病率は男性で45%、女性では70%にものぼるとされています[2]
軟骨のすり減りによって関節内に炎症が生じることで発症するのですが、進行性の関節疾患であるため、放置すると骨の損傷や関節が変形し、膝が曲がりきらず歩行困難となる等、日常生活に支障をきたします。膝の骨壊死を合併することも少なくありません。その場合は膝に突然、激痛を覚えるようなケースもあります。

また、日本人は、膝の内側に痛みが生じる内側型の変形性膝関節症を発症することが多く、その割合は9割とされています[3]

<変形性膝関節症で起こる症状>
□ 膝が曲げづらい
□ 階段の上り下りで膝が痛む
□ 歩きはじめや立ちあがるときに膝が痛む
□ 正座がつらい
□ 膝に水がたまり、腫れている

<変形性膝関節症になりやすい人・原因>
□ 50歳以上の方
□ 女性
□ O脚の方
□ 肥満体型の方
□ 靭帯損傷や半月板損傷など外傷歴のある

上記の症状が当てはまり、膝の痛みが良くならないという方は、ぜひ一度当院へご来院ください。整形外科専門医が診察し、最適な治療法をご提案いたします。

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原因③:内側半月板損傷

内側半月板損傷

半月板とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間に存在する軟骨の一種で、衝撃を吸収するクッションの役割を担っています。内側と外側にそれぞれ存在していますが、その内側半月板を損傷することで、膝の内側に痛みを生じることがあります。
半月板損傷引き起こす要因として、スポーツでの外傷で膝に強い衝撃が加わったことによる損傷の他、加齢による負担の蓄積や変形などもあげられます。

<内側半月板損傷で起こる症状>
□ 曲げ伸ばした時にひっかかる感覚がある
□ 歩行時に痛みがある
□ 膝に水がたまりやすい
□ 膝のロッキング現象(急にひざが動かなくなる症状)

<内側半月板損傷になりやすい人・原因>
□ 高齢者の方
□ バレーボールなど、ジャンプ動作を繰り返すスポーツをしている
□ サッカーなど、急な切り返しの動作が多いスポーツをしている

膝の内側の痛みについてさらに詳しくはこちらをご覧ください。
膝の内側が痛いのはなぜ?原因となる鵞足炎や変形性膝関節症を解説

原因④:膝離断性骨軟骨炎

関節内の軟骨が剥がれてしまう疾患で、スポーツを行なっている成長期の小中学生や高校生によく見られます。性別では男性が女性の2倍に多く、部位としては8割以上が膝の内側に生じます。
初期は軟骨にヒビが入ることで痛みを感じるようになりますが、放置するとその軟骨は剥がれ、さらに痛みが強くなります。また、剥がれた軟骨の影響で、膝の曲げ伸ばし時に引っかかりやズレを感じます。大きな骨軟骨片がはがれ落ちると「ゴリ」と音がすることがあります。
離断性軟骨炎の重症度は、ICRS(International Cartilage Research Society)の分類でⅠ〜Ⅳに分類されます。初期の場合はレントゲンに写りにくいので、多くの場合はMRI検査を行って最終確定します。
保存療法で軽快することが多いですが、重症の場合は剥がれた軟骨を再接着させる手術を試みることもあります。

離断性軟骨炎のICRS分類

<膝離断性骨軟骨炎で見られる症状>
□ 膝の痛み
□ 引っかかりなどの違和感
□ 「ゴリ」という異音
□ 膝のロッキング現象(急にひざが動かなくなる症状)

<膝離断性骨軟骨炎になりやすい人・原因>
□ よく見られるのは成長期のスポーツ選手
□ 原因ははっきりわかっていないが[4]、一説には膝軟骨にストレスが繰り返しかけられることと考えられている

膝の外側が痛い

主な要因として考えられるのは、腸脛靭帯炎(ランナー膝)、外側側副靭帯損傷、外側半月板損傷などです。腸脛靭帯炎は運動によるオーバーユースが原因、外側側副靭帯損傷は、外部から受ける強い衝撃がきっかけになることが多いです。外側側副靭帯損傷は、外傷が原因の場合と、加齢に伴う組織の劣化が原因の場合があります。

原因①:腸脛靭帯炎(ランナー膝)

腸脛靭帯炎(ランナー膝)の関節図

ランニングや自転車(ロードバイク)をする方に多く、別名「ランナー膝」とも呼ばれます。
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)とは、太ももから脛上部までの外側に位置する靭帯です。ランニングや自転車に乗るときの動作では、膝の外側にある骨の出っ張りである大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)の上を、この腸脛靭帯が前後に動きます。このときの骨と靭帯の摩擦によって、部分的に炎症を起こしてしまった状態が腸脛靭帯炎です。主に大腿骨外側上顆に痛みが生じることが多いですが、その周辺が痛むこともあります。膝の外側の痛みで最も多い疾患と言えるでしょう。

<腸脛靭帯炎で起こる症状>
□ ランニングに伴う膝の外側の痛み
□ 圧痛がある
□ グラスピングテストで痛みが出る

<腸脛靭帯炎になりやすい人・原因>
□ トラック競技などの走るスポーツをしている方
□ 重量物を運搬する仕事をしている方
□ 体が硬い
□ 急に運動を始めた時

原因②:外側側副靭帯損傷

外側側副靭帯損傷の関節図

外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)は、大腿骨と腓骨(すねの外側の骨)を結んでいます。
この靭帯を損傷してしまう外傷を外側側副靭帯損傷と言います。これは激しい接触を伴うスポーツや交通事故で起きるケースがほとんどで、通常の日常生活では起きにくいと考えられます。膝の靭帯損傷が起きやすいスポーツとはバスケットボール、スキー、サッカー、ラグビー、柔道などです[5]。また接触のない場合でも、急な方向転換で膝に過度な負担がかかることにより起こることがあります。
しかしながら、外側側副靭帯は膝にある靭帯の中では最も受傷しにくい部位であり、一般的に単独で損傷することは少ないと言われています。
そのため膝関節内の半月板や十字靭帯の損傷と合併して起こるケースがほとんどです。

<外側側副靭帯損傷で起こる症状>
□ 膝の外側の痛み
□ 圧痛がある
□ 膝が崩れる、力が抜ける

<外側側副靭帯損傷になりやすい人・原因>
□ サッカーやラグビーなど接触の多いスポーツを行っている
□ 柔道など転倒の多いスポーツを行っている
□ 半月板損傷や十字靭帯損傷と診断された方

原因③:外側半月板損傷

外側半月板損傷

原因③:外側半月板損傷
半月板はアルファベットの「C」のような形をした軟骨で、膝関節の内側と外側に一つずつあります。外側にあるのが、外側半月板(がいそくはんげつばん)。この外側半月板を何らかの原因で損傷してしまうことを、外側半月板損傷といいます。
内側半月板と同様、スポーツ中に受傷することが多いですが、加齢も原因の一つです。
内側半月板と比較すると、外側半月板を単独で受傷するケースは稀で、先に触れた外側側副靭帯や十字靭帯などと同時に損傷することが多いです。

<外側半月板損傷で起こる症状>
□ 膝の外側の痛み
□ 膝関節に水がたまり、腫れる
□ 膝が動かなくなる

<外側半月板損傷になりやすい人・原因>
□ 高齢者の方
□ バレーボールなど、ジャンプ動作を繰り返すスポーツをしている
□ サッカーなど、急な切り返しの動作が多いスポーツをしている

膝の外側の痛みについてさらに詳しくはこちらをご覧ください。
膝の外側の痛みはランナー膝? セルフケアから最新治療までをご紹介

膝上が痛い

膝上が痛い方は、多くの場合、大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)や滑液包炎(膝蓋前滑液包炎)など、オーバーユースが原因の疾患であると考えられます。これらの症状は安静にすることで症状が緩和されることもあります。
しかし、膝蓋大腿関節症や変形性股関節症など、進行性の恐ろしい疾患が隠れている可能性も否定できないため、安易な自己判断は控え、少しでもおかしいと感じた場合は早めに整形外科を受診することが大切です。

原因①:大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)

大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)

膝上に痛みを伴う疾患として最も多いと思われるのが、大腿四頭筋腱炎(だいたいしとうきんけんえん)です。
これは、太ももの大腿四頭筋を、膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)に結びつけている腱が炎症を起こしている状態を指します。別名を「ジャンパー膝」とも言い、バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作の多い競技でよく見られます。ジャンパー膝は膝下に痛みが出ることが多いと言われておりますが、膝上にみられるケースも少なくありません。

<大腿四頭筋腱炎で起こる症状>
□ 膝上、膝前面の痛み
□ 圧痛がある

<大腿四頭筋腱炎になりやすい人・原因>
□ バレーボールなど、ジャンプ動作を繰り返すスポーツをしている
□ サッカーなどのキック動作や走る動作を繰り返すスポーツをしている

原因②:滑液包炎(膝蓋前滑液包炎)

滑液包炎(膝蓋前滑液包炎)

滑液包(かつえきほう)は袋のような組織で、骨や筋肉、腱などが摩擦しないよう、衝撃を吸収する役割を果たしています。身体のあらゆる部分にある滑液包ですが、膝のお皿の上が痛い場合は、膝蓋骨のやや上にある膝蓋前滑液包が炎症を起こしている可能性があります。その状態が膝蓋前滑液包炎(しつがいじょうかつえきほうえん)です。
大腿四頭筋のオーバーユースによって刺激を受け続けることで、炎症を起こすことが多いとされています。まれに滑液包が細菌感染を起こしていることがあり、その場合は痛みに加えて赤みや腫れ、熱感が生じます。そういった症状があれば速やかに病院へ行き受診してください。

<滑液包炎(膝蓋上滑液包炎)で起こる症状>
□ 膝上が痛む
□ 膝上に赤みや腫れ、熱感がある(細菌感染の可能性がある)

<滑液包炎(膝蓋上滑液包炎)になりやすい人・原因>
□ 慢性的なオーバーユース
□ 自転車で転倒して膝を強く打つなどの外傷
□ 正座や胡座あぐらなどの体勢を繰り返し行う方

原因③:膝蓋大腿関節症

膝蓋大腿関節症

膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)は、膝のお皿である膝蓋骨と、太ももの骨である大腿骨からなる関節です。これらの骨が接している部分には軟骨があり、膝の曲げ伸ばしがスムーズに行えるようサポートする役割を果たしています。
膝蓋骨が正常な位置からずれたり変形したりすることでこの軟骨がすり減り、その結果、痛みや炎症を起こすのが膝蓋大腿関節症です。
スポーツなどによる衝撃で膝蓋骨が脱臼や亜脱臼を繰り返すことや、加齢によって膝蓋骨にかかる負担が増加し、骨が変形することによって起こります。

<膝蓋大腿関節症で起こる症状状>
□ 膝上に痛みが起きる
□ 炎症がひどくなると、膝上に水がたまり、腫れる
□ 膝蓋骨の違和感
□ 膝の引っかかり
□ 音が鳴る

<膝蓋大腿関節症になりやすい人・原因>
□ 坂道・階段・ジャンプ・ランニングなど膝の屈伸の繰り返し運動を行う
□ 体重増加、筋力低下に伴う膝の不安定性
□ 女性

膝上の痛みについて、詳しくはこちらも併せてご覧ください。
膝上が痛い原因はジャンパー膝以外にも!セルフケアや治療法を全解説

膝下が痛い

膝下の痛みも、膝上同様に使いすぎ(オーバーユース)が原因であることが多いと考えられます。
また膝下の痛みは、10〜20代の比較的若い年代に多いことも特徴です。これは、骨が成長するスピードに筋肉が追いつかず、筋肉が張って硬い状態になっていることに起因します。

原因①:膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)

膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎・ジャンパー膝)

膝蓋靭帯(しつがいじんたい)とは、膝のお皿である膝蓋骨と、すねの脛骨を結ぶ靭帯で、膝の曲げ伸ばしに伴い伸びたり戻ったりします。その際の負荷が蓄積されることによって炎症が起き、痛みが生じた状態が膝蓋靭帯炎です。
この疾患は膝上がいたくなる大腿四頭筋腱炎と合わせ、別名をジャンパー膝と言われ、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプを繰り返すスポーツで起こりやすいことが特徴です。また、小さなジャンプ動作を繰り返すランニングを行った際にも見られ、10〜20代の男性に多いと言われています。激しい運動を無理に続けると症状が悪化するため、安静にすることが必要です。

<膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)で起こる症状>
□ 膝を曲げると膝下に痛みが出る
□ 運動中と運動後、膝下に痛みが出る
□ 膝下が腫れたり、熱を持ったりすることがある

<膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)になりやすい人・原因>
□ バレーボールなど、ジャンプ動作を繰り返すスポーツをしている
□ 陸上競技やサッカーなどのキック動作や走る動作を繰り返すスポーツをしている
□ 10~20代
□ 男性

原因②:オスグッド病

オスグッド病の関節図

正式名称は、オスグッド・シュラッター病と言います。10~15歳の子供に起こりやすいこともあって「成長痛」と思われがちですが、実はそうではありません。
オスグッド病は、膝蓋靭帯と脛骨の結節部(結ばれた部分)が剥離(はくり)する疾患で、激しい運動によって膝蓋靭帯から脛骨にかかる負荷が大きくなった結果、膝蓋靭帯が脛骨の軟骨ごと剥がれてしまった状態です。
女子では10~12歳、男子では12〜14歳くらいに膝のお皿の下の脛骨結節が軟骨から硬い骨へと成長するのですが、まだ大きな負荷に耐える準備ができておらず、筋肉の繰り返しの牽引によって炎症や剥離が生じます[6]
通常であれば成長とともに自然治癒することが多いですが、剥離した骨の影響で、大人になっても痛みが続くこともあります。

<オスグッド病で起こる症状>
□ 膝を曲げると膝下に痛みが出る
□ 膝のお皿の下に痛みが出る
□ 膝のお皿の下を押すと痛い
□ 膝のお皿の下が硬く盛り上がる

<オスグッド病になりやすい人・原因>
□ 10~15歳の方
□ サッカーやバスケットボールなどで膝を伸ばす動きを繰り返し行う

膝の裏が痛い

膝の裏の痛みは、ベーカー嚢腫やリウマチなど、様々な要因で生じます。この部位には様々な組織が集中しているため、そこが痛むということは、骨や関節、靱帯が何らかの原因で損傷、または炎症を起こしていると考えられます。

原因①:ベーカー嚢腫

ベーカー嚢腫ができる位置

膝の裏がポッコリと腫れ、痛みや圧迫感、違和感(つっぱるような感覚)を感じる場合は、ベーカー嚢腫(のうしゅ)と呼ばれるコブが原因として考えられます。
関節には、摩擦を減らし滑らかに動かすために、滑液腔と呼ばれるという袋状の組織で包まれていて、その中は関節液という液体で満たされています。ベーカー嚢腫は、関節内に何らかの要因で炎症が起き、この関節液が必要以上に分泌され、膝の裏にある滑液腔内に溜まってしまうことで起こる症状です。
通常、腫れは次第に消えていきますが、稀に嚢胞が大きくなることで破裂し、痛みや腫れが生じることもあるため、違和感や痛みがある場合は整形外科への受診をおすすめします。

<ベーカー嚢腫で起こる症状>
□ 膝の裏が腫れる
□ 膝の裏に痛み、違和感を感じる
□ 膝を曲げたときに膝下にしびれを感じる

<ベーカー嚢腫になりやすい人・原因>
□ 関節リウマチ、痛風、変形性膝関節症と診断された方
□ ランニングなどのスポーツによる膝の酷使
□ 体重増加

原因②:関節リウマチ

関節リウマチの膝

関節リウマチとは悪い細菌やウイルスを排除するはずの免疫細胞が異常をきたし、間違って自分の関節を攻撃して炎症を起こす症状です。
腫れや激しい痛みが生じ、放置すると軟骨や骨が破壊されて関節が変形し、関節としての機能が失われてしまう恐れがあります。
この病気は、膝裏に限らず全身の関節に症状が出るのが特徴です。

<関節リウマチで起こる症状>
□ 関節に痛みが生じたり、熱をもって腫れたりする
□ 体を動かしにくい

<関節リウマチになりやすい人・原因>
□ 女性
□ 30~50歳代
□ 遺伝的要因
□ 喫煙習慣

膝の裏側の痛みについてさらに詳しくはこちらをご覧ください。
膝の裏が痛くなるのはなぜ? 医師が教える原因と対処法

膝痛に自宅でできる効果的な対処法【応急処置編】

症状や原因に、なにか心当たりはあったでしょうか? 原因は様々ありますが、痛みを緩和するためには、まず安静にすることが大切です。
しかし「安静にする=何もしない」ではありません。適切なセルフケアを取り入れれば、痛みを和らげる効果がより高まります。
ここでは、膝が痛いときに自宅で行うことができる対処法ををご紹介します。ただし、痛みや腫れがひどい場合は無理をしないようにしてください。

対処法①冷やす(温める)

膝を冷やす応急処置

スポーツ後を始め、急性の痛みや炎症があると思われるときは、氷嚢や保冷剤などで患部をアイシングしましょう。30分ほど患部を冷やすことで痛みの緩和を図ります。
ただし、痛みが慢性化している場合は冷やすと逆効果です。この場合は、温めて血行を良くしましょう。

対処法②湿布を貼る

湿布を膝に貼る応急処置

湿布の消炎鎮痛作用で、痛みの緩和を図る方法です。
アイシングと混同されることがありますが、湿布には、患部を冷やす効果は期待できません。怪我をした直後の応急的な場合は、湿布を使うのではなく、氷水などでアイシングするのが望ましいです。

対処法③サポーターを着ける

サポーターで膝を守る

膝に装着することで膝を安定させるほか、触圧覚(触られているときに感じる感覚)を刺激することで、痛みを感じにくくすることができます。
また、血行が悪いと膝の痛みは増します。寒い時期に強く痛みを感じるのはこのためです。慢性的な痛みの場合は、保温用のサポーターで冷えを防ぎ、痛みを軽減するのも有効です。
サポーターで膝を固定すれば、一時的な痛みは和らぎますが、それはあくまで膝が補助されることで得られる効果。オーバーユースでは安静が第一です。スポーツをするためではなく、あくまでもリハビリや再発予防で行うストレッチ、筋トレの補助として考えることをおすすめします。

対処法④テーピングをする

テーピングで膝を守る

サポーター同様、膝を固定することで膝下の痛みを緩和することができます。
色々な種類がありますが、膝は曲げ伸ばし動作が多いため、伸縮性のあるエラスティックテープ、あるいは膝下が痛い原因のひとつである筋肉にアプローチするキネシオテープがおすすめです。キネシオテープには疲労回復をサポートする効果も期待できるため、ケガの再発や予防目的でも使用できます。

膝痛に自宅でできる効果的な対処法【ストレッチ編】

筋力不足や筋肉の硬さは膝の痛みの原因になります。ストレッチで筋肉をほぐすことで対処・予防が可能です。
痛みが強い場合は無理をしてはいけませんが、膝の状態と相談しながら取り入れてみましょう。

膝の内側の痛みに有効なストレッチ

縫工筋・半腱様筋・薄筋を合わせた鵞足筋の柔軟性を高めることで、鵞足炎の症状緩和、予防が期待できるストレッチです。

①ストレッチする足を45度広げ、反対の足の膝を内側に曲げます。
②股関節を折り曲げるように背筋を伸ばしたまま前に倒れていきます。

※膝から太ももの内側が伸びているのが実感できたらOKです。背中が丸まったり、伸ばした足が内側に倒れてしまわないように注意してください。

膝の外側の痛みに有効なストレッチ

大腿筋膜張筋のストレッチは、外側側副靭帯損傷や外側半月板損傷の要因になりかねないX脚の予防や改善にもつながります。
つまり、大腿筋膜張筋をほぐせば、膝の外側に生じる様々な疾患の予防が可能です。

①ストレッチする足の裏にタオルを掛けます。
②その足と反対の手でタオルを持ち、手のほうへゆっくり足を倒していきます。
③足を頭の方にタオルで引き寄せます。このとき、お尻から太ももの外側が伸びていることを意識しましょう。

膝上の痛みに有効なストレッチ

膝蓋靭帯炎やオスグッド病には、太もも前側にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチが効果的です。立った状態で、どこでも行えるストレッチです。

①ストレッチしたい足の膝を曲げて、足首を手で持ちます。
②その足のかかとを、グッとお尻に近づけましょう。太ももの前側が伸びているのを感じるはずです。

曲げた膝が身体の前に出ていたり、腰が反ったりしていると、十分な効果が得られません。また、身体の負担になることもあるので注意が必要です。バランスが難しい場合は、壁や椅子、机等に手を添えて支えながらやってもOKです。

膝下の痛みに有効なストレッチ

太もも上部の外側にある大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)が硬くなると、そこから移行している腸脛靭帯が過度に引っ張られ、腸脛靭帯炎を発症しやすくなります。大腿筋膜張筋をほぐすことが、腸脛靭帯炎の症状緩和と予防に効果的です。

①ストレッチする足の裏にタオルを掛けます。
②その足と反対の手でタオルを持ち、手のほうへゆっくり足を倒していきます。
③足を頭の方にタオルで引き寄せます。このとき、お尻から太ももの外側が伸びていることを意識しましょう。

膝が曲がったり背中が浮いたりしないようにしましょう。タオルを持たない手を外に広げ、顔もそちら側へ向けると、背中が浮きにくくなります。

膝の裏の痛みに有効なストレッチ

ふくらはぎに繋がっている腓腹筋(ひふくきん)は膝の裏が痛くなる原因とされています。階段や段差を利用した腓腹筋のストレッチをご紹介します。

<準備するもの>
踏み台(もしくは階段等の段差のある場所でおこなってください)

①両手を壁、もしくは椅子に置きましょう。
②踏み台からかかとを出し、そのまま曲がらないようにかかとを下に落としていきます。
③ふくらはぎが伸びていることを感じるところで20秒~40秒キープします。

改善されない場合は早期治療をおすすめ

膝の病気やケガは早期に適切な治療を行わなければ、進行して歩くことが困難になるケースも少なくありません。そうならないためにも、原因をきちんと調べておくことが大切です。
当院でも膝の違和感や痛みの原因がわからないと、ご相談をいただくことが多々あります。そういったときには、MRIひざ即日診断で詳しく調べて、何が原因か、どうすれば良いかをわかりやすくご説明しています。同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

はじめてのご来院

コラムのポイント

  • 膝痛を改善するためには、原因をつきとめ、それに合った治療を行うことが大切
  • 湿布・サポーターなどの応急処置の他、ストレッチでは膝痛の予防も可能
  • それでも痛みが続く場合は、早期に医療機関を受信する事をおすすめ

よくある質問

膝のお皿の下の痛みはどんな原因が考えられますか?

お皿の下の痛みは、膝の使いすぎが原因となる膝蓋靭帯炎が考えられます。

■膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)とは
膝蓋靭帯(しつがいじんたい)とは、膝のお皿と脛骨を結ぶ靭帯(腱)です。そこに負荷がかかり、炎症が生じた状態を膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎)と言います。バスケットボールやバレーボールなど、ジャンプする動作を伴うスポーツをしている人によく見られることから、別名「ジャンパー膝」とも呼ばれます。痛み以外には腫れや熱感、膝が曲げにくいなどの症状が特徴です。
軽度の場合は激しい運動を控え、湿布やサポーターを使った保存治療と、ストレッチや筋力強化などの運動療法も並行して行います。ただし、腱が断裂しているような重度の場合は、手術が必要になります。

手術を避けたいという方は、早期の段階で診断、治療を開始することが大切です。
膝のお皿の下の痛みが続く場合は運動を中止し、一度クリニックをご受診いただくことをおすすめします。

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