ひざ痛チャンネル編集部
2018-06-14

膝の冷えと痛みが年中続く!そんな人にまず実践してほしい対処法

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膝の冷えと痛みが年中続く!そんな人にまず実践してほしい対処法

「季節を問わず膝が冷えて、痛みが出ることもある……。」こんなお悩み、ありませんか? 手足が冷えるとよく聞きますが、中でも膝は特に冷えやすい部位なのです。

この記事では、膝が冷えて痛くなる原因の究明とともに、症状を改善するための具体的な4つの方法や生活での注意点をメディカルトレーナーがお届け。今から始めれば、この夏の冷房にも、冬の寒さにも負けない身体を作ることができるはずです。すぐにできる簡単なものばかりなので、ぜひ日々の生活に取り入れてみましょう!

 

膝はなぜ冷える?

なぜ膝が冷える?

膝が冷えるのはなぜでしょうか? 考えられる原因としてはこのようなものがあります。

 

膝周辺の筋肉に血流が不足しているから

膝の周りの筋肉には継続的な負担がかかって、温かい血液が流れにくくなるため、冷えやすいのです。

 

膝周辺の筋肉は熱量が少ないから

人間の筋肉からは、活動に必要なエネルギー(熱)が出ています。膝は周辺の筋肉が少ないため、作り出す熱量も少なく、冷えやすいというわけです。

 

別の身体的要因

膝の冷えには、次の3つのような要因が関係している可能性も考えられます。

 

冷え症(冷え性)の影響

冷え症とは、季節や天気に関係なく冷えを感じやすい体質のこと。身体が寒さを感じると、重要な臓器のある身体の中心に多くの血液を集めて温めようとします。つまり冷え症になると、末端である手足はもちろんのこと、もともと血流の少ない膝周りには血液が行き渡りにくくなり、常に冷えを感じやすくなるのです。

女性に多い冷え症ですが、それは先にもお話したように、冷えが筋肉と関係が深いため。男性より女性の筋肉量は少ないですからね。また、きつい下着や靴(ハイヒールなど)で体を締め付けることも多いため、血行不良となることも原因に考えられます。ただ男性も人ごとではありません。2017年にリンナイ株式会社が行った調査では、男性でも4割が冷え症を自覚していると回答。これには、冷房の普及で室内外に温度差ができたことによる自律神経の乱れ、貧血や低血圧など、性別が関係しない原因の影響が伺えます。

【出典】
「【熱と暮らし通信】『冬場の冷えと暖房事情』に関する意識調査」リンナイ株式会社

 

月経(生理)の影響

女性の場合、月経(生理)が関係しているかもしれません。月経時の出血に伴い、一時的に下半身の血液循環が悪くなっている可能性が考えられます。また、出血の際には熱も放出されるため、身体が冷えて血流が悪化し、その結果として膝にも冷えを感じるのです。

 

膝に負ったけがの影響

過去、膝に負ったけがが原因となって、膝に冷えが生じることがあります。例としては、膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)の骨折、靭帯や半月板の損傷など。こうしたけがの治療のため安静にしている間に、周辺の筋肉や腱が固くなってしまいます。そうして膝への血流が不足し、冷えてしまうのです。

 

冷えと膝の痛みの関係

膝の違和感

膝の冷えに痛みを伴うことがあります。冷えと痛みには、どのような関係があるのでしょうか。痛みの原因には次のようなものがあります。

 

軟部組織の硬直

血流が不足すると、軟部組織と呼ばれる膝の筋肉や腱、靭帯、脂肪が硬直(固くなること)します。この状態で動かすと、筋肉や腱の付着部に負担がかかって痛みが出るのです。放置すると、どんどんほぐれにくくなり、冷えや痛みもなかなか解消できなくなってしまいます。

 

神経過敏

神経は筋肉の間を通っているため、冷えて筋肉が硬くなると神経が圧迫されて痛みを感じるようになります。

 

膝の冷えや痛みを改善する4つの対処法と注意点

膝の冷えや痛みの原因は、多くが血流不足であるとお分かりいただけたのではないでしょうか。ここからは、膝の冷えや痛みを解消するための血流改善方法をお伝えします。簡単にできるものばかりなので、すぐに始めてみましょう。

 

①入浴

入浴は、身体全体を温める最も簡単な方法です。おすすめの入浴方法をご紹介します。

 

シャワーで済ませない

浴槽に浸かろう

忙しいからと、シャワーだけで入浴を済ませていませんか? 冷えを改善するために、冬はもちろん、夏でも湯船に浸かるのが望ましいです。お湯にしっかりと浸かることで体温が上がり、皮膚の毛細血管が拡張して全身の血流が良くなるためです。

おすすめは、39度程度のお湯に15分ほど浸かる入浴法。これにより、夜間の休息時に活発化する「リラックス神経」とも言われる副交感神経のスイッチが入ります。リラックスすると筋肉は緩むため、その点でも筋肉の硬直がほぐれて、血流アップ、さらに痛みの緩和も期待できるのです。また、ストレスや不安感は、痛みを感じにくくする働きを持つドーパミンの分泌を抑制してしまいます。それを防ぐためにも、しっかり湯船に浸かることが大切なのです。

 

炭酸ガスの入った入浴剤を使用する

お湯だけでもよいですが、炭酸ガスの入った入浴剤を使うとより効果が期待できるという見解も。浸透圧の関係で、身体の末梢(指先など)にある細かな血管に炭酸ガス(二酸化炭素)が入り込むのだそう。血管中の二酸化炭素濃度が上がり、それを元に戻そうと血管が収縮することで、血行が良くなると言われています。足先や手先から膝、身体全体が温まるようなイメージです。

【参考文献】
「炭酸浴の効果について」特定・特別医療法人福島厚生会 福島第一病院 循環器科部長、透析室部長(兼) 小川 智弘

 

②適度な運動

適度な運動を

膝の冷えや痛みを解消するためには、適度な運動が効果的。筋肉には、心臓から送り出された血液を身体中に行き渡らせるポンプのような役割があるためです。筋肉をほぐす運動、筋肉をつけて熱量を上げる運動を、それぞれご紹介します。

 

筋肉をほぐす

固まってしまった筋肉をほぐし、血行をよくしましょう。どこでもできる脚の曲げ伸ばし運動です。

①イスに深く腰掛けます。

②2秒かけて、地面と水平になるまで片方の脚を上げましょう。

③2秒かけて、その脚をゆっくり下ろします。

④これを10回行いましょう。目標は100回です。

 

筋肉をつけて熱量を増やす

「第二の心臓」とも呼ばれ、足腰に滞りやすい血液を心臓へ送り返す働きのあるふくらはぎを鍛えましょう。膝への血流が良くなり、冷えや痛みの改善が期待できます。カーフレイズというトレーニングに挑戦してみましょう。

①まず、立った状態で壁や椅子に手を置き、体を安定させます。

②次に、かかとをゆっくりあげていきます。このとき、膝が曲がらないよう注意してください。

③3秒かけて上げ、3秒かけて下ろすという運動を10回。3セットが目安となります。

 

③食生活の見直し

食生活

身体に直接入ってくる食べ物や飲み物などを見直すことも、冷えの改善に繋がります。

 

 

食べ物

血流不足を防ぐためには血液が必要です。血液の元となる鉄分を豊富に含んだ動物性の食べ物や、海藻類がおすすめです。

【鉄分を多く含むもの】
レバー
肉の赤身
こんにゃく
わかめ
ひじき
海苔 など

また、身体を温めてくれる根菜(こんさい)や発酵食品を意識して摂るようにしましょう。冬が旬の食材には、身体を温める作用があるものが多いです。反対に、夏が旬で水分の多いキュウリやトマトなどは、身体を冷やしてしまいます。

【身体を温める作用のあるもの】
ニンジン
ゴボウ
ジャガイモ
ショウガ
レンコン
キムチ
納豆
ヨーグルト
チーズ など

 

飲み物

夏は暑いからと、冷たい飲み物ばかり飲んでいませんか? それはもちろん、身体を冷やすことになってしまいます。また、身体を温めようとして温かいコーヒーを飲む人が多いですが、コーヒーは身体を冷やすため注意。身体を温めるなら、紅茶やウーロン茶など、製造過程で発酵させているものがおすすめです。

漢方

身体を温める漢方薬を使う方法があります。気になる方は専門家に相談してみると良いでしょう。

 

④膝を温める

膝の痛みと保温サポーター

膝の冷えと痛みに今すぐ対処したい、というときには、サポーターやカイロを用いて温める方法もあります。しかし、この方法には一時的な効果しか見込めないとする見解もあるため、他の対処法と併用するのが望ましいでしょう。また、膝だけをピンポイントで温めるのではなく、足先から太ももまで、全体を温めるのがベストです。

 

サポーター

サポーターには、温めるという作用の他に「膝の痛覚を感じにくくする」という作用も。膝にサポーターを装着して圧迫感を与えることで、触圧覚(しょくあつかく:触られているときに感じる感覚)を刺激します。触圧覚は痛みの刺激よりも早く脳に伝わるため、膝の痛みを感じにくくさせることができる、というわけです。ただし、圧迫しすぎて膝への血流を阻害してしまっては本末転倒。全体的には圧迫しますが、履き口のゴムの部分は締め付けないよう調節しましょう。

 

カイロ

カイロを使って膝を温めて血行を良くすることで、冷えや痛みの緩和が期待できます。ただし、低温やけどには十分気をつけてください。皮膚に直接貼らない、就寝時には使用しない、といったことに注意する必要があります。

 

【参考文献】
「膝痛 こだわりの保存治療」宗田 大

 

生活の中での注意点

注意点

せっかく入浴や運動で膝を温めても、生活面に問題があれば、またすぐに冷えてしまうかもしれません。ここまでご紹介した方法と併せ、生活の中でも次のようなことに気をつけましょう。

 

冷房をつけたまま寝ない

夏の夜は寝苦しいですが、冷房を入れたまま寝てしまうと、膝だけでなく身体全体が冷えてしまいます。冷房のつけっぱなしは極力避け、窓を開けたり扇風機を使ったりして対処しましょう。

 

こまめに姿勢を変える

同じ姿勢を続けていると、膝周辺の組織が硬直して冷える原因となります。こまめに姿勢を変える意識を持つとよいでしょう。

 

「膝が冷えて痛い」には、まず血流改善で対処!

膝の冷えを放置しておくと、やがて身体全体の冷えに繋がり、だるい、疲れやすいなど、様々な不調を来すことがあります。そんな状態にならないためにも、まずは血流改善の対策を取りましょう。ご紹介したような方法を生活に取り入れれば、膝の冷えや痛みはきっと改善に向かうはずです。

ただ、これを続けても改善されない場合や、強い痛みを伴う場合は、別の疾患の可能性も否定できません。速やかに病院を受診してくださいね。中には、冷え症外来という専門の外来を設置している病院もあるようです。

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