ひざ痛チャンネル編集部

変形性膝関節症とO脚の負の連鎖を断ち切る!これが専門家の矯正法

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変形性膝関節症とO脚の負の連鎖を断ち切る!これが専門家の矯正法

O脚だと変形性膝関節症になりやすい。変形性膝関節症になると足がO脚に変形する。こんな不安から情報収集しているみなさんに知っておいて欲しい情報を、膝のリハビリを専門とするメディカルトレーナーがまとめました。

O脚だとなぜ変形性膝関節症になりやすいのか、変形性膝関節症になるとどうなるのか、そもそもO脚はなぜ起こるのか、どんな方法で矯正できるのかを、わかりやすく整理しています。O脚の原因を知ることで、矯正方法にも納得できるはず。「人生、100年」と言われる今の時代。変形性膝関節症で何十年も膝の痛みに悩まされないよう、O脚の人は今すぐお試しください!

 

O脚と変形性膝関節症の怖い関係

股関節から足首までの足の形が、文字通りOの字を描いているO脚。足を揃えてまっすぐ立ったときに、膝の隙間に指が2〜3本くらい入るようならO脚です。レントゲンやMRI検査で膝関節の骨の傾斜を確認した際、176°以内なら正常、180°異常ならO脚、176°以下ならX脚というのが診断の目安となります。

 

変形性膝関節症のリスクがO脚だと大きくなる理由

外見的には膝関節が外側に反り出しているO脚ですが、骨の状態はその逆。大腿骨と脛骨が膝関節でバランス良く向かい合わず、内側同士で支えている状態です。そのため、整形外科ではO脚を内反膝(ないはんひざ)と呼びます。股関節や足関節(足首の関節)とのアライメント(配列)が正常であれば、図のように一本線で結ぶと、通るのは膝関節のど真ん中。しかし、O脚だとその位置が膝の内側に大きくずれます。

O脚のアライメント

これは、体重などの負荷がかかる軸を示した下肢荷重線(ミクリッツ線)。正常なアライメントなら膝関節全体に均等に負荷が加わりますが、アライメント不良を起こしたO脚の状態だと、膝の内側に負荷が偏ることになります。この過剰な負荷の蓄積が、膝関節の内側で軟骨のすり減りや半月板の変性を生じさせる原因に。もちろん、老化現象も変形性膝関節症に深く関わっています。実際、半月板の変性は40代頃から始まり、60代以上にもなると半月板に何かしらの異常が現れていることがほとんど。そういった誰にでも共通する要因に加えて、O脚だとアライメント不良による過剰な負荷もあるため、内側型の変形性膝関節症を引き起こしやすいのです。

 

O脚→変形性膝関節症→O脚進行→変形性膝関節症も進行

そして、変形性膝関節症を発症した後も、O脚との関係は負のスパイラルを生みます。O脚が改善されなければ、依然として膝の内側にかかる負担は大きいまま。加えて変形性膝関節症になると、膝関節の炎症で軟骨にダメージを与える酵素が関節液中に分泌されます。軟骨の損傷が進むと骨にもダメージが及ぶため、アライメント不良に骨の変形も加わり、O脚はますますひどくなること少なくありません。また、変形性膝関節症になると、膝痛をかばって歩いたりすることも多くなります。こういった不自然な体の使い方でも、O脚は進行します。すると、膝関節の内側にかかる負担はさらに大きくなり、変形性膝関節症も進行して症状は悪化。この繰り返しで、どんどん膝関節は変形していき、痛みも強くなることが予想されます。

 

負のスパイラルでO脚がひどくなると手術しかない

変形性膝関節症を治療する場合、第一選択は運動療法や理学療法、ヒアルロン酸注射などの保存療法です。ただ、これらの治療法には限界があります。それに、変形性膝関節症で骨自体が変形してしまった変形性膝関節症の進行期〜末期においては、もうエクササイズ等でO脚を矯正することは困難。その場合は、手術して骨の傾きを調整する他、治療法はありません。

 

変形性膝関節症の手術①高位脛骨骨切り術

O脚が進行しても膝関節の外側にダメージが見られなければ、高位脛骨骨切り術の適応になります。この手術は、脛骨を切開してプレートをはめ込み、関節の傾きを整えるというもの。もともとの膝関節を温存できることはメリットですが、切開した骨の癒合(くっつくこと)に時間を要するため、入院期間が2~3週間ほどと長めです。

オープン・ウェッジ法

高位脛骨骨切り術(オープン・ウェッジ法)

 

変形性膝関節症の手術②人工膝関節置換術

O脚の悪化でさらに変形性膝関節症が進行すれば、最終的には人工物の膝関節に入れ替える、人工膝関節置換術の適応となります。この膝の手術には2種類あって、骨切り術と同じく膝関節の外側に損傷がなければ内側だけを人工関節に置き換える「単顆人工膝関節置換術」ですが、内外両方に損傷が及ぶほど進行していれば、膝関節のすべてを置き換える「人工膝関節全置換術」しか方法がありません。

痛みや不具合の根本を取り除く手術なので、変形が進んでしまったO脚や膝の痛みの大幅な改善は期待できます。ただ、人工物ならではの違和感や長い入院期間(全置換術では1~2か月)やリハビリ、そして術後は定期的な検診が必要など、負担も様々です。

人工膝関節全置換術

人工膝関節全置換術

 

変形性膝関節症を予防する3つのO脚矯正エクササイズ

変形性膝関節症になってしまうと完治させることはできません。そして、お話ししたように、発症してしまうと軟骨や骨の変性によってO脚はさらに進行する一方。ただし、変形性膝関節症に至る前に、O脚を引き起こす原因を改善すれば、矯正できる可能性はあります。

靴選びや足底板(靴のインソール)でO脚の傾きを調整するような装具を使った治療法をイメージする人も多いでしょう。確かにそれもひとつ。ただ、エクササイズによる運動療法で、体の構造を自然な状態に戻すことがとても重要。通常、変形性膝関節症を予防法としては大腿四頭筋がメインとなりますが、O脚を矯正する場合は、内転筋や外側ハムストリングスのエクササイズ、そしてスクワットがおすすめです。

 

なぜこの3つのエクササイズ? 答えはO脚の原因にあり

そもそも、O脚は膝関節だけの異常ではなく、下記のような他の関節との運動の連鎖で起こっています。

  1. 骨盤が歪み、後ろに傾く
  2. その影響で正常な状態より、股関節が外旋(外回りに回転)・外転(体の外側に傾く)した状態に
  3. その影響で、膝関節が内反(体の内側に反る)・内旋(内回りに回転)する
  4. その影響で、足関節(足首の関節)が内反する

つまり、股関節が外に傾かないよう内に引き寄せるための筋力(内転筋群)を鍛えたり、内側に回転しやすいように硬くなった筋肉(外側ハムストリングス)をほぐすことが有効なのです。また、関節の状態が正常であれば膝のお皿と足のつま先は同じ方向を向いていますが、O脚の場合はずれている傾向にあるため、それを意識的に合わせて矯正するような運動(正しい姿勢でのスクワット)も必要。これらの理由から、O脚の矯正には取り上げた3つのエクササイズなのです。

 

O脚を矯正のエクササイズを動画でチェック!

それでは、O脚矯正のためのエクササイズ法をご紹介します。正しい方法で行わないと効果が得られなかったり逆効果となる恐れもあるので、ぜひ動画も合わせてチェックしてみてください。

 

股関節を内側に引き寄せる!内転筋群を鍛える方法

変形性膝関節症の予防するためのO脚矯正なので、膝への負担が少ない、横になった状態で行う筋トレ法をご紹介しましょう。まずは、内転筋群の筋力アップから。その名の通り、股関節を内転に作用する5つの筋肉の総称です。

  1. 横向きに寝そべり、下の足を伸ばし、上の足は膝を曲げた体勢からスタート。
  2. 伸ばした足をゆっくりあげていきます。最初は10cmくらいで構いません。
  3. このとき、上半身の姿勢が崩れたり、あげた足の膝が曲がらないよう注意しましょう。
  4. 3秒かけて足をあげ、3秒かけて下ろす運動を10回。1日3セットが目安です。

 

正常に戻りやすい筋肉に!外側ハムストリングスのストレッチ法

ハムストリングスとは太ももの裏の4つの筋肉の総称です。そのうち、外側に位置するのが大腿二頭筋。この筋肉を柔らかくほぐすことで、外旋している股関節を内側に戻りやすくします。

  1. ストレッチしない方の足を内側に折り畳みます。
  2. 伸ばした足の膝に手を当ててしっかり伸ばし、少し内側に倒すことでターゲットを大腿二頭筋に。
  3. 股関節を折り畳むように体を倒し、反対側の手で伸ばした足の小指を掴みます。
  4. 太ももの裏側が伸びているのを感じるところで、20〜40秒キープ。
  5. 足首が手前に曲がるように引き寄せると、より効果的です。

 

足の向きのずれを矯正!方向を意識したスクワット法

膝蓋骨(膝のお皿)と足のつま先の方向のずれを矯正するには、その方向を合わせるように意識してスクワットを行うのが効果的。動画は筋力アップを目的に解説しているので膝を深く曲げていますが、O脚の矯正なら膝は軽く曲げる程度でOK。負荷の大きさよりも、姿勢や膝蓋骨と足の指の方向を揃えることに意識を集中しましょう。

スクワットの正しい姿勢は以下の通りです。

  1. 足を肩幅に広げて立ちます。
  2. そして、お尻を後ろに引くようなイメージで、股関節と膝を曲げます。
  3. このとき、膝がつま先より前に出たり、状態が倒れ過ぎないよう注意ください。
  4. 膝が内側に入らないよう、股関節と膝と足のつま先が一直線になるよう意識するのも大切です。

 

O脚矯正は日常の動作でも!変形性膝関節症を徹底予防

ご紹介したO脚矯正のエクササイズを行うことで、正しい動作がやりやすくなります。例えば、日常生活での「歩く」「立ち上がる」「座る」など。O脚だとこういった動作の際に、間違った体の使い方になっていることが多いのです。それが続くとO脚が進行し、変形性膝関節症のリスクがさらに高まる可能性も……。念には念を、エクササイズと併せて、生活の動作でも次のポイントを意識してみましょう。

 

歩くときは親指意識で内股・がに股を回避

内股やがに股歩きを続けていると、関節のアライメントがさらに崩れてしまいます。これを防ぐポイントとなるのが、かかとと親指。かかとから着地し、足の親指に体重が抜けていくイメージを意識することで、正しく歩くことができます。

 

立ち上がりや座るときは膝のお皿とつま先の向きに注意

立つときと座るときの動作は、スクワットの動きと同じ。膝のお皿とつま先(足の人差し指)の向きを揃えた状態で動くようにすることが大切です。この時の重心は、靴ひもの位置を意識しましょう。

 

変形性膝関節症になってしまってもO脚エクササイズは有効?

ランナー膝

O脚の矯正法はわかったけれど、すでに変形性膝関節症で膝の痛みが出ているから、もう今からじゃ意味がないし……。そう思っている人もいるのではないでしょうか。確かに、変形性膝関節症を発症すると、先にお話した負のスパイラルで、O脚も病態も進行は加速すると考えられます。そのためO脚を矯正するというのは困難。ただ、膝痛をかばうなどで不自然になった体を自然な状態に戻していくイメージでは、有効だと考えます。

そこでポイントとなるのが、使えていない筋肉を使うことと、感覚器官を刺激すること。エクササイズで筋肉を鍛えれば、股関節から足関節までを機能的に動かすことはできるでしょう。ただ、屋外などイレギュラーが置きやすい状況下でも同じことができ、膝への衝撃を吸収できなければなりません。変形性膝関節症であるなら、なおさらです。そのためには、音や景色、体の揺れなどといった外からの刺激と運動を同時に行うシーンをつくり、訓練するようにしましょう。簡単なものだと、ウォーキングがひとつの手段。他にも片脚立ちやバランズディスクなど不安定な場所で立つ練習がありますが、変形性膝関節症の痛みなど、症状や膝の状態を考慮して無理のない範囲で行うことが大切です。

 

変形性膝関節症で骨が変形する前にO脚を矯正しよう!

最初に言ったように、変形性膝関節症は一度なってしまうと完治することはありません。そして、骨自体がダメージで損傷してしまうと、もうO脚を矯正することは手術以外に方法がありません。発症してからのお話も少し触れましたが、骨が変形する前、さらに言えば変形性膝関節症になる前が勝負時です。今日から”ひざ意識”の高い生活、始めてみませんか?

 

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