ひざ痛チャンネル編集部

膝のしこりは怖くない?5つの原因と迷ったときの受診先ガイド

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膝のしこりは怖くない?5つの原因と迷ったときの受診先ガイド

「膝のしこりを何とかしたいけど、原因も受診すべき医療機関もわからない!」というお悩み、多いのではないでしょうか? 痛みはなくても見た目として気になる、そんな方もいらっしゃるでしょう。

受診すべきは整形外科、皮膚科、それとも形成外科? そんな風にお困りなら、この記事は必読です! 膝のしこりで考えられる5つの原因とともに、何科を受診すべきか解説。きっと、あなたの助けになるでしょう。

 

膝にしこりができる5つの原因と治療法・受診先

膝周辺にできるしこりのようなものは、ほとんどが良性です。ごく稀に悪性のものもありますが、まずは良性のものを5つ、それぞれの治療法や、疑われるときに受診すべき医療機関と併せてチェックしましょう。

膝のしこり治療法

 

①膝裏にしこりができる「ベーカー嚢腫」

ベーカー嚢腫とは

人体には滑液包(かつえきほう)と呼ばれる袋状の組織があり、骨や筋肉、腱などが摩擦しないよう、衝撃を吸収する役割を果たしています。膝関節にも十数個の滑液包があり、このうち膝の裏にある滑液包が炎症を起こし、内部にある滑液が異常に増加してできるのが、ベーカー嚢腫(のうしゅ)。ベーカー囊胞(のうほう)とも言います。
膝裏の滑液包が腫れて、ゴルフボールほどの大きさになることがあり、そうなると膝を曲げたときに痛むようになります。50〜70歳の女性に発症しやすく、特に変形性膝関節症や関節リウマチを患っている人に多く併発する疾患です。

ベーカー嚢腫の主な症状

  • 膝裏にしこりができ、不快感がある(痛みは少ない)
  • しこりが大きくなると、膝を曲げたときに痛む

 

ベーカー嚢腫の治療法

腫れが大きい場合には膝裏に注射針を刺し、中の液体を抜く治療が行われますが、生活に支障がない程度であれば、そのまま様子を見ることも多いでしょう。嚢腫内の液体が増えて内圧が高まると嚢腫が破裂することもありますが、次第に解消します。

変形性膝関節症や関節リウマチを患っている場合は、その治療を行う必要があります。

 

ベーカー嚢腫が疑われるときに受診すべき病院

整形外科

 

②膝のお皿にしこりができたように腫れる「膝蓋前滑液包炎」

膝蓋前滑液包炎

【出典:physioworks.com】

膝のお皿である膝蓋骨にしこりができたように腫れる場合、膝蓋前滑液包炎(しつがいぜんかつえきほうえん)の可能性があります。膝蓋前滑液包は、膝蓋骨と皮膚の間にある滑液包のこと。図中で最も大きい青色が示す部分にあり、正座やスポーツなどで膝をつく動作を繰り返しているうちに炎症を起こすことがあります。

まれに滑液包が細菌感染を起こしていることがあり、その場合は痛みに加えて赤みや腫れ、熱感が生じます。そういった症状があれば、速やかに病院を受診してください。

膝蓋前滑液包炎の主な症状

  • 膝のお皿が腫れ、しこりができたようになる
  • 触るとぶよぶよした感じがする
  • 熱を持つことがある

 

膝蓋前滑液包炎の治療法

膝をつく動作を始め、患部への刺激を避けるように生活します。痛みが強ければ、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)という、消炎鎮痛作用のある痛み止めを使用。滑液包炎の原因が細菌感染でない場合は、ステロイド系の薬剤も使用可能です。

 

膝蓋前滑液包炎が疑われるときに受診すべき病院

整形外科

 

③膝周辺にできる柔らかいしこり「脂肪腫」

脂肪腫

Scielo.br

筋肉内や筋肉間など、皮膚下の深いところにできる脂肪の塊が、脂肪腫(しぼうしゅ)です。脂肪腫が太ももの下部にできた場合に、膝周辺がドーム状に盛り上がります。皮膚の下にできる腫瘍の中では最も頻度が高く、40〜50代の女性で、特に肥満の人に多いです。

大きさにはばらつきがあり、数ミリ〜10センチ程度。最も多いのが背中や首、肩で、それに次いで上腕、お尻、太ももなどに発生します。痛みを伴うことは稀ですが、脂肪腫が神経のそばにできると、神経が圧迫され痛みが出るケースも。

 

脂肪腫の主な症状

  • 柔らかいしこりができ、ドーム状に盛り上がる
  • 神経のそばにでき、神経が圧迫されると痛みが出る

 

脂肪腫の治療法

脂肪腫で痛みが出ることは稀で、多くはそのまま様子を見ることになります。しかし、脂肪腫が自然に消失することはありません。次第に大きくなる可能性もあるため、見た目が気になるようであれば、脂肪腫を切除する手術を行います。その場合、再発の可能性は低いでしょう。

 

脂肪腫が疑われるときに受診すべき病院

形成外科、整形外科

 

④膝関節周辺にできるしこり「ガングリオン」

幅広い年代に発症するため、見聞きしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。関節を包んでいる関節包から生じた腫瘤(しゅりゅう:こぶ)のことを、ガングリオンと言います。中には関節液や滑液が濃縮されたゼリー状の物質がつまっており、皮膚の上から触ると、硬いものから柔らかいものまで様々。ガングリオンは自然に小さくなって消えたり、また出てきたりするのが特徴です。

身体のあらゆる関節にできる可能性があり、膝に生じることも珍しくはありませんが、特に多いのは手の甲や手首。痛みを伴うことは稀ですが、神経のすぐそばにできると、神経が圧迫されて痛みやしびれが起きることもあります。症状がなければ、放置しても心配はありません。

 

ガングリオンの主な症状

  • 膝以外の関節でもあらゆる部位に腫瘤ができる
  • 神経のすぐそばにできると、神経が圧迫されて痛む

 

ガングリオンの治療方法

ガングリオンが大きくなったり、神経を圧迫して痛みがある場合、注射器を使用して内容物を吸引する治療を行います。しかし、それは根本的な治療とは言えません。再発を繰り返すようであれば、関節包が繋がっている部分も含め、ガングリオンを摘出する手術を行うこともあります。

 

ガングリオンが疑われるときに受診すべき病院

整形外科、皮膚科

 

⑤化膿や炎症を起こしやすいしこり「粉瘤(アテローム)」

表皮(皮膚の表面)では細胞分裂が起き、新陳代謝とともに古い皮膚は剥がれ落ちていきます。ところが、これが表皮下(皮膚の中)で皮脂と一緒に溜まってしまったものが、粉瘤(ふんりゅう)。

脂肪腫やガングリオンとは異なり、しこりの中央付近に黒っぽい開口部があるのが特徴です。これをつまむと白い脂のようなものが出てきて悪臭を放ちます。開口部から細菌が入って炎症を起こしたり化膿したりすることがあり、その場合は痛みを伴い、患部が晴れ上がります。粉瘤が自然に消失することはありません。

 

粉瘤の主な症状

  • しこりが次第に大きくなる
  • 炎症を起こすと痛みや違和感が出る
  • 圧迫すると、白い脂が出て悪臭を放つ

 

粉瘤の治療法

手術により治療します。皮膚の傷跡が小さく済むため、粉瘤が小さいうちに手術をするのが望ましいでしょう。粉瘤は袋状になっており、この袋を残すと再発するため、残さないように切除しなければなりません。

 

粉瘤が疑われるときに受診すべき病院

皮膚科、形成外科

 

膝のしこり、ごく稀に悪性腫瘍の可能性も

ここまでご紹介したように、膝のしこりは、ほとんどが良性。しかし、ごく稀に悪性の腫瘍であるガン(癌)が隠れています。悪性骨腫瘍と悪性軟部腫瘍があり、いずれも基本的な治療方法は手術。化学療法や放射線療法を組み合わせて行われます。

怪我をしていないのに痛みや腫れが出て長引く、急激にしこりが大きくなった、こんなケースは要注意かもしれません。腫瘍によって脆くなった骨が折れ、その検査の結果として判明することもあります。

 

悪性骨腫瘍

悪性骨腫瘍(あくせいこつしゅよう)は、手足や脊椎などの骨に生じる悪性の腫瘍のことで、転移性骨腫瘍と原発性骨腫瘍の2つがあります。悪性骨腫瘍のほとんどが、転移性骨腫瘍です。

 

転移性骨腫瘍(続発性骨腫瘍)

骨以外の場所に生じたガン(癌)から骨に転移した場合、転移性骨腫瘍と呼ばれます。

 

原発性骨腫瘍

骨自体に生じる腫瘍を原発性骨腫瘍と言います。発症率は人口100万人に対して4人※と、非常にまれな病気です。

 

【参考文献】
国立がん研究センター「軟骨肉腫受診から診断、治療、経過観察への流れ」

 

悪性軟部腫瘍(軟部肉腫)

筋肉や脂肪、血管、リンパ管などの軟部組織にできる悪性の腫瘍が、悪性軟部腫瘍(あくせいなんぶしゅよう)、あるいは軟部肉腫(にくしゅ)と言います。悪性線維性組織球腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、リンパ腫など様々な種類がありますが、こちらも人口10万人に対して3.6人※と、罹患率は低いです。

皮下の浅い部分であれば早期に発見できることもありますが、筋肉や脂肪の集まった深部にできると発見が遅れることが多く、治療も難しくなります。

【参考文献】
国立がん研究センター がん情報サービス

 

膝のしこりは何科?困ったら、まずは整形外科へ

膝のしこりは何科へ?

膝にできるしこりは、ほとんどが良性のもので、そのまま様子を見て過ごすケースも確かに多いです。しかし、ごく稀に悪性の疾患が隠れている可能性も否定はできません。全てを悪性と疑ってかかれと言うわけではありませんが、やはり不安であれば自己判断は避け、適切な医療機関で医師の指示を受けてください。

どの医療機関を受診すべきかというところで迷ってしまったら、まずは整形外科を受診するのがよいでしょう。膝のしこりは、整形外科の範疇となる疾患が多いと考えられるからです。

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