ひざ痛チャンネル編集部
2018-11-12

20年以上も痛みとつき合う!?日本人の「ひざ痛人生年表」を発表

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20年以上も痛みとつき合う!?日本人の「ひざ痛人生年表」を発表

長寿大国の日本。厚生労働省の発表した2017年度の平均寿命は、またしても男女とも過去最高となり、女性が87.26歳、男性が81.09歳でした。60歳で定年してからも、まだ20年以上の間、人生を謳歌する時間があるということです。そのためには健康であることが大前提ですが、そこに立ちはだかるのが、ひざの痛みという壁……。ひざに痛みがあると、様々な行動が制限されることになってしまうからです。

そこで、ひざ痛チャンネルでは、ひざに痛みのある60代以上の男女111名にwebアンケートを実施。ひざの痛みが出てきた年齢や、どんなことが何歳くらいで制限されるようになったかなどなど、色んな質問をしてみました。そのデータをもとに、ひざ痛の人生年表を作成。ひざの痛みなんて先の話、まだまだ自分には関係ない、そう思っている人も、実は人ごとではありません。11月13日は、ちょうど「いいひざの日」。楽しい老後を送るためにも、この機会にご自身のひざの健康について考えてみませんか?

 

「ひざ痛人生年表」に見る要注意ポイント

日本人のひざ痛人生年表

アンケートの統計から作成した年表がこちら。20〜30代の方でも、加齢とひざの痛みの関係をご存知なら、想定内と思うかもしれません。ただ、平均寿命を考えると、痛みが発症してからも人生は20〜30年は続きます。その間、痛みややりたいことを制限されるストレスとつき合わなければならない、そう考えるとどうでしょう?

アンケートでも、どのくらいの時間、ストレスを感じているかというのがうかがい知れました。1日のうちで、ひざの痛みを気にしている時間はどのくらいかという質問で「ほとんど気にならない」という回答は29.7%。一定数と感じるかもしれませんが、ただ「ときどき気にしている(55.0%)」「半日くらい気にしている(10.8%)」「ほぼずっと気になっている(4.5%)」と、毎日気になっている人が約70%を占めていることになります。

ひざの痛みを気にする時間に関するアンケート結果

 

ひざの痛み問題は40代から始まっている?

ひざの痛みを感じ始めた年齢に関するアンケート結果

ひざが痛み始めた年齢の質問で、もっとも多かったのは60代(55.9%)、続いて50代(24.3%)という結果でした。なぜこの年代でひざの痛みが急増するのかというと、老いはひざの健康にも影響しているから。実際、ひざの痛みが生じて「自分もとうとう老人の仲間入り」「老いを実感した」とショックを受けている人がアンケートへの回答でも複数見受けられました。

ひざの負担を軽減している筋力の低下や、骨や軟骨の衰えなど、老いの影響でひざ関節にかかる負担が増え、そしてひざの痛みとして現れます。さらに詳しく説明すると、ひざの関節面(骨と骨の向かい合った面)を覆う軟骨がすり減り、その影響で関節を覆う膜が炎症。これが50代以上に多い、ひざの痛みの原因。そして、変形性膝関節症という疾患です。すべてがそうとは限りませんが、変形性膝関節症の発症率も50〜60代で急増することを考えると、関係は深いと言えるでしょう。

ただ、変形性膝関節症の場合、痛みが出てからの対処では遅いのです。なぜなら、軟骨はすり減ってしまうと元通りに修復されることはまずありません。発症したら、あとはどれだけ進行を防げるかになってきます。だからこそ、ひざの痛みが生じる前から予防の心がけが大切なのです。40代(5.4%)と50代の数値の差を見ても、痛みの発症は18.9%の大幅アップ。この急増を見る限り、痛みがなくても40代には、ひざに何かしらの変化が生じ始めているかもしれません。

 

主婦は何故ひざに痛みが出るのが早い?

年表を見てまず目立つのが、主婦のひざ痛発症は早いという点です。「ひざに痛みが出てきたのは何歳くらいの頃ですか?」という質問への回答比率を見て見ると、50〜60代に集中している他の職業に対し、専業主婦の回答にはばらつきがありました。確かに専業主婦も50〜60代で多く発症していますが、前年代に回答が分かれたのは専業主婦だけ見られた傾向でした。主婦でもある可能性の高いパート・アルバイトも、20代との回答はないものの、30代と40代でともに回答があり、他の職業よりも早い発症が見られます。

職業別に見る、ひざの痛みを感じ始めた年齢に関するアンケート結果

では、専業主婦はなぜ若いうちからひざの痛みが出やすいのでしょうか。それには、家事など日常でかかるひざへの負担が、ひとつの仮説として立てられるかもしれません。例えば、布団の上げ下ろしや買い物、子供のだっこなど、重いものを持ったり抱えたりするシーンは意外と多いの主婦。ひざには何も持たなくても体重の2〜3倍ほどの負荷がかかっているため、さらに荷重されるとそれだけ負担も大きくなるというわけです。また、立って作業することが多いこと、逆に立ったり座ったりが多いことなども、ひざの負担となる行動なのでダメージを負いやすいと考えられます。

実際、アンケートでも「買い物途中の階段を降りる時に(ひざの痛みが)気になり始めた」「お風呂掃除に支障が出てきた」「床掃除がしづらくなった」という家事による影響、家事への影響を思わせる声も見受けられました。

 

ひざの痛みは行動を制限。身近な趣味も困難に……

主婦だけの話にとどまらず、ひざの痛みは多くの人の生活に支障を及ぼします。アンケートでも、111人中60人が、趣味が制限されたと回答。日常生活にいたっては、74人がやりづらさを感じているという結果に。

生活面については先にも少し触れましたが、その内容としてもっとも多かったのは、階段の上り下り(36.3%)でした。ひざに異常がなくても、階段の上りでは体重の3.2倍、下りだと3.5倍の負荷がひざ関節にかかっていると言われています。ひざに痛みが生じた場合、痛みを強くするのに十分すぎる負荷。実際、これだけ多くの人に支障が出ているのがその証拠でしょう。

続いて多いのが、座る・しゃがむ(19.8%)、立ち上がり(18.6%)といった、膝を曲げ伸ばす運動。特にしゃがんだり座ったりする動きは、日本の家で基本。加えて、正座ができない(8.8%)、和式のトイレでしゃがめない(3.3%)といった声も複数上がっていました。

また、趣味への影響も、その延長線上で生じているようです。例えば、趣味とあげている人数こそ少ないですが、茶道や習字(8.6%)、ガーデニング(12.1%)などは、正座やしゃがむ動作を必要とします。また、歩行も日常生活だけで見ると趣味として長時間となると、ウォーキングや散歩は20.7%、旅行やショッピングでの行動も含むと25.9%になり、支障を感じている割合はぐんとアップしていました。

ひざの痛みが及ぼす日常生活や趣味への制限に関するアンケート結果

 

ひざの痛みで起きた出来事のショック度は7〜8

日常生活や趣味への支障は、ひざの痛みと同時に感じるようになることも多いようで、アンケート結果でも50〜60代で感じ始めたという回答が半数以上。現代の寿命から言えば、これから新しいことにチャレンジする人もたくさんいるであろう年代です。その一方で、ショックだった出来事への回答では悲しい現実も見え隠れ。冒頭でもお話した「老人の仲間入り」が思っていたよりも早いというショックの他、「趣味が続けられなくなったこと」「仕事で仲間に迷惑をかけたこと」などの回答が複数見られます。そして「ショックの度合いを1〜10の数字で表すとしたら?」という質問では、7〜8という高い数値が半数以上でした。そう、アクティブシニアが増える一方で、油断していると思うように過ごせないという現実が待ち構えていることもあるのです。

「できなくなっていることで一番やりたいことは?」の質問でも、ウォーキングやハイキング、旅行にショッピングなど、やはり趣味の再開を上げる声は多数ありました。そんな中、散見されたのが「孫の世話をしたい」「孫と遊びたい」という願い。現代では高齢出産も増えているため、初孫ができたのが60代以上のときというケースも珍しくありません。ただ、ひざの痛みによって、その喜びを思うように体感できない事態も起こっているようです。

 

ひざ痛経験者からのアドバイスは「適度な運動」

50代以降も思うように過ごすためには、やはり最初にお話したように、ひざが痛くなる前からの意識づけが大切です。そうは言っても、問題は何をすればいいのか、というところ。アンケートに協力してくださったひざ痛の経験者に「アドバイスはありますか?」と聞いたところ、もっとも多かった回答内容は、適度な運動でした。「ひざ(周辺)の筋肉を鍛える」「普段から身体を動かす」「若いうちから歩く週間をつけておく」などなど。「普段から2km以内の用事は歩くようにする」といった具体的なアドバイスもありました。一方で、「過ぎた運動はしないこと」というコメントも。診療でも、健康を意識してスポーツを始めたものの、若い時の感覚ではりきり過ぎて逆に膝を痛めてしまうケースを見かけます(肌感としては、30代に多いイメージ)。予防意識としての取り組みであれば、例にあげたアドバイスのように、いつもより少しだけ歩くようにする、ちょっとした時間にかんたんな筋トレ、それくらいでもいいのです。大切なのは、それを継続すること。それだけでも、あなたのひざと将来は変わってくるかもしれません。

 

まずは太ももの筋トレから

アンケートの中には「手術するのをやめて膝の筋肉を鍛えた結果、現在は何の支障もなくなっている」という体験談を寄せてくれた方もいました。ここまでの回復は稀なケースかもしれませんが、運動療法は日本だけでなく世界でも推奨されています。ただ、いきなりあれもこれもはできないと思うので、今回は基本中の基本、セッティングと呼ばれる大腿四頭筋のトレーニング方法をご紹介します。家事や仕事の合間でもできるトレーニングなので、取り入れやすいのではないでしょうか。

 

ひざの健康意識が高まったら、こんな記事もおすすめ

いかがでしたでしょうか? ひざの健康のため、もっと何かアクションしたいという方や、すでにひざの痛みでお悩みという方には、「【変形性膝関節症にも】膝を鍛えるメリットの実例と注意点について」の記事も参考にしていただけるかと思います。同じく100人に「膝を鍛えようと思ったきっかけは?」というwebアンケートを実施。その結果や、膝を鍛える上での注意点から実際のトレーニング方法、実際にどんな効果が見られたかの実例まで、当院メディカルトレーナーの知識と経験をご紹介した記事です。思うように人生を楽しむ準備のひとつとして、ぜひ併せてご覧になってみてください。

 

【アンケート概要】
調査期間:2018年11月8日〜9日
調査対象:膝に痛みを感じている60代以上の男女111名(男性56名/女性55名)
調査方法:インターネットを使用したアンケート

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