ひざ痛チャンネル編集部
2018-05-18

こんな勘違いに注意!理解しておきたい膝痛治療の本当の目的とは

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こんな勘違いに注意!理解しておきたい膝痛治療の本当の目的とは

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「膝痛の治療を始めて長いけど、いっこうに治らない」とお困りの方! あなたは今行っている膝痛治療の、本当の目的をご存知でしょうか? 膝の痛みを治したくても、目的を勘違いしたままでは治療の効果が最大限に発揮されません。そして良くなるどころか、悪化することも……。勘違いしやすい治療の目的と、その何が間違っているのか、分かりやすく解説します。読めば間違いに「ハッ!」とするかも!?

膝の痛みを治療中の人も、これから治療を始めたい人も、必読です!

 

膝痛の治療で起こりやすい3つの誤解

膝痛治療の誤解

治療しているのに、膝の痛みがいつまで経っても治らない……。それは、次のような勘違いのせいかもしれません。思い当たることはありませんか?

膝痛の治療で起こりやすい誤解① 薬物編

内服薬、ヒアルロン酸やステロイドの注射、膝のサプリメントといった薬で「膝が良くなる」と勘違いしていませんか?

 

膝痛の治療で起こりやすい誤解② 装具編

装具とは、身に着ける道具のことで、身体の機能を補助するものです。膝に使用する装具で代表的なのが、サポーター。たくさんの種類があり、膝の痛みや症状に応じて使い分けられます。しかし、「装具を使えば膝が治る」という考えをお持ちであれば、それは誤解です。

 

膝痛の治療で起こりやすい誤解③ 運動編

安静にするべきか、それとも運動をするべきか。ここも誤解が生じやすいポイントです。「安静が第一だから、じっとしていよう」という考えと、「運動をたくさんすれば膝が治る」という考え、どちらも誤解です。

 

膝痛の治療で正しく理解しておくべき3つの目的

膝痛治療の正しい目的

3つの誤解とお伝えしましたが、全てが間違っているとは言い切れません。その目的をちゃんと知った上で治療を行うことが大切なのです。

まず、膝の「痛み」とは、症状として出ているものです。なぜ痛みが出るかといえば、膝の組織が損傷しているから。つらい痛みが和らぐと、膝が治ったように感じますが、実はそうではありません。膝の組織の損傷を元通りにするのは簡単なことではないからです。

薬物、装具、運動といった治療が目的としているのは「自然治癒のサポート」と言い換えると、分かりやすいかもしれません。自然治癒とは、ヒトが生まれながらにして持つ、けがや病気を治す力のことです。このように治療の目的を理解しておけば、誤解から生じる「効かない」という不安は解消できるでしょう。

①膝痛の治療、薬の主な目的は痛みの「緩和」

薬による膝痛治療の目的

長期間にわたって薬の服用や注射を続けても痛みが治らない、という方もいらっしゃるでしょう。なぜでしょうか? それは、「薬がダメージを負った膝を修復してくれるわけではない」から。薬には痛みを抑える効果はありますが、痛みの根本を治療し取り除くものではありません。
ただ、一時的にでも膝の痛みを抑えたいときは誰にでもあるはず。そんなときに効果的なのが、鎮痛薬、ヒアルロン酸やステロイドの注射といった薬物療法なのです。

内服薬

薬のタイプには「ロキソニンやバファリンのように即効性がある一方でリスクもあるため、漫然と使用しないほうがよいもの」と、「リスクが低いぶん、一定期間は使用し続けたほうがよいもの」の二つがあります。それを把握することも、目的を理解するのと同じくらい大切。必ず用法・用量を守らなくてはなりません。さらに、目的や成分、作用、副作用のリスクなどによって分類されることもあるため、どんな薬を選べば良いかわからないという方は、医師や薬剤師に症状などを話して助言を得るのがよいでしょう。

ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸の役割は、関節液の補助。膝関節内に直接注射することで、膝の滑りを良くしたり、膝にかかる負担を軽くしたりするのが目的です。

頻度としては週1回の治療を3〜5週間継続し、その後は効果に応じて、2〜4週間に1回のペースで行われるのが一般的です。ただし、効果を感じられなければ、ヒアルロン酸注射の中断を考慮したほうが良い場合があります。そのまま注射を継続しても膝の組織が修復されるわけではなく、注射という治療の性質上、感染症のリスクもゼロではないからです。

 

ステロイド注射

ステロイドは抗炎症作用のほか、鎮痛作用にも優れています。炎症が原因で膝に強い痛みがある場合や水が溜まってしまったケースでは、ヒアルロン酸注射で効果が見られないことも。こういった場合、ステロイド注射が有効とされています。

薬物なので、やはり用法・用量が決まっており、頻回な利用は副作用を引き起こすリスクを伴います。頻度はステロイドの種類によっても異なりますが、医師の正しい判断が欠かせません。

 

サプリメント

薬の項目に入れましたが、サプリメントは健康補助食品。医薬品ではありません。有名なのがグルコサミンですが、医学的に効果が認められているわけではないというのが実情です。そうは言っても、膝痛の解消に効果があったと言う人もいますよね。それには、「膝痛の緩和に効く」という思い込みで自然治癒力が上がる「プラセボ(プラシーボ)効果」が関係していると考えられています。ですから、効果があると信じて飲む、もしくはプラセボ効果を期待して飲むというのも、ひとつの手ではあるでしょう。

【参考文献】
「Open-label placebo treatment in chronic low back pain: a randomized controlled trial.」Pain.2016
「Subgroup analyses of the effectiveness of oral glucosamine for knee and hip osteoarthritis: a systematic review and individual patient data meta-analysis from the OA trail bank.」BMJ.2017

 

②膝痛の治療、装具の主な目的は膝の「サポート」

膝サポーター

装具も、膝の組織のダメージを修復するものではありません。目的は、膝のサポート。膝関節を安定させ、膝に負荷がかかりにくくすることや、痛みを強くする膝の冷えを防ぐことで、膝痛の緩和が期待できます。また、不安を抱えた膝を装具で固定、補強することで、気持ちの面でも安心感を得られるでしょう。スポーツをされている方であれば、プレーに集中することができるはずです。

装具とは少し違いますが、サポーターと同様、膝を固定することができるテーピングも、選択肢として考えられます。それぞれ多くの種類があるので、どういった目的で使うのか、用途に合わせて選びましょう。

サポーター

サポーターには、膝を安定させることと膝の保温をすることに加え、「膝の痛覚を感じにくくする」という作用も。サポーターを膝に装着して圧迫感を与えることで、触圧覚(しょくあつかく:触られているときに感じる感覚)を刺激します。触圧覚は痛みの刺激よりも早く脳に伝わるため、膝の痛みを感じにくくさせることができるのです。感覚的なごまかしとも言えるので、状態の悪化を招くような無理は禁物です。

また、寝ているときに装着したままにするのは避けたほうがよいでしょう。横になっているときは膝への負担はかかりません。常にサポーターを着けたままにしているのではなく、膝をリラックスさせることも必要です。

テーピング

膝に関して言えば、厚い素材で伸縮性が高く、固定力に優れたエラスティックテープなどが代表的です。膝関節だけでなく筋肉の動きもサポートする働きがあるキネシオテープなどは、筋肉を始め身体の疲労回復を助ける効果にも期待できます。

 

③膝痛の治療、運動の主な目的は悪化と再発の「予防」

適度な運動

膝痛の治療において、安静にするべきか、運動をすべきか、判断が難しいですよね。強い痛みがある場合を除いて、ほどよい運動はやはり必要です。その目的は「悪化と再発の予防」と言えるでしょう。

膝が痛いと、全く動かずじっとしていることが良いと思って動かなくなったり、逆に「運動不足だから良くないんだ」と思い、急に運動を頑張ってしまったりします。ただ、これはどちらもあまり良くありません。

何もせずじっとしていると、足の筋力が低下。すると膝への負担が増え、痛みが増すという悪循環に陥ります。とは言え、運動を頑張りすぎてしまうのも、膝が無理に耐えられず、痛みの悪化を招く恐れが。つまり、膝の状態に合った適度な運動が大切というわけです。膝周辺の筋肉を鍛えることができれば、膝痛の悪化を防ぐことができ、膝痛が治まったあとの再発も予防することができます。しっかり医師と相談したうえで、膝に負担をかけない方法で筋トレやストレッチから始めてみましょう。ちなみに、膝痛の原因が初期の変形性膝関節症である場合、こうした運動は特に効果的で、変形性関節症治療の国内外のガイドラインにおいても非常に高い推奨度が示されています。

【参考文献】
「変形性関節症治療の国内外のガイドライン」独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)脊椎脊髄センター

 

筋トレ

膝周辺の筋肉を鍛えることで、膝にかかる負担を軽減するのが目的です。膝痛を悪化させないためにも、膝へ負担をかけずに行うのが条件。変形性膝関節症に限定していますが、具体的な方法が気になる方は、膝に負担をかけないやり方が「変形性膝関節症にはこの運動を!目的別の4トレーニングを動画解説」にまとめてあります。

ストレッチ

膝関節の動きは筋肉によるもの。でもその筋肉が固いと膝を動かしづらくなり、痛みも生じます。ストレッチで筋肉をほぐすことで、そういった症状の緩和が期待できます。ストレッチも膝へ負担をかけずに行う必要があります。やり方が詳しく知りたい方は、「【厚労省の膝痛予防マニュアル】要点まとめて教えます〜運動編〜」をご覧ください。

 

目的や方法を正しく理解し、状態に合った膝痛の治療を

適切な膝痛の治療を

まず、膝痛の原因が分かっていない場合は、早めに病院を受診しましょう。膝痛にはあらゆる原因が考えられるため、自己判断で突き止めるのは困難だからです。そして、この記事でご紹介したどの治療についても共通して言えるのは、膝痛の状態に合わせた治療をすることが大切だということ。今やっている治療が間違っていなくても、より適した方法が見つかるかもしれません。

強い痛みがつらくて仕事が手につかなかったり、膝痛の原因がわからず不安に感じていたりしませんか? そうしたストレスや不安感によって、痛みが助長されてしまうこともあるそうです。ヒトの体内で分泌されるドーパミンという物質には、痛みを感じにくくする働きがあります。しかし、ストレスを受け続けることで、ドーパミンの分泌が抑制されてしまうんだとか。

そんなときに薬や装具があれば、一時的とはいえ安心感が生まれるはず。薬は副作用が怖い、装具も根本的な治療じゃないならと敬遠するのではなく、安心材料として使用してみるのも一つの手段です。目的を正しく理解して治療を実践することで、良い結果が期待できるでしょう。

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