ひざ痛チャンネル編集部

【膝のお皿が割れる!?】膝蓋骨骨折の手術やリハビリを知る必読書

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【膝のお皿が割れる!?】膝蓋骨骨折の手術やリハビリを知る必読書

膝を強打してから、膝のお皿あたりに痛みが続いている、膝の動きが悪くなった。こんな症状に心当たりはありませんか? もしあるなら、膝のお皿こと膝蓋骨(しつがいこつ)を骨折している可能性が。この記事をご覧になっている方には「もしかしたら」という気持ちがあるかもしれませんね。

膝のお皿を骨折してしまったら、完治までどのくらい期間がかかるのでしょうか? また、効果的な治療法はあるのでしょうか? 手術をするorしないの基準、リハビリの注意点、後遺症……。こうした数々の不安、この記事を読んで払拭しましょう。

 

完治まで3〜6ヶ月 膝のお皿の「膝蓋骨骨折」

膝蓋骨骨折の治療期間膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)を骨折してしまうことを、膝蓋骨骨折と言います。スポーツでの接触により転倒し膝を打った、交通事故で膝を強打した、など原因は様々。どの世代にも起こり得る外傷ですが、高齢者は軽く膝を打っただけでも骨折してしまう可能性があります。

膝蓋骨骨折は、その度合いにもよりますが、ほぼ元の状態に戻るまで3〜6ヶ月かかるとされています。この間、どのような治療を行うのでしょうか。症状やリハビリなど、気になるポイントをまとめてチェックしていきましょう。

 

打撲に似てる!? 膝蓋骨骨折の3大症状

膝蓋骨骨折は、きっかけや症状が打撲と似ています。「打撲と思って放置していたら、しばらくして骨折とわかった」というケースも。では、膝蓋骨を骨折すると、どのような症状が現れるのでしょうか。全ての症状が必ず出るわけではありませんが、思い当たるものがあれば膝蓋骨骨折の可能性があります。打撲との違いも含めてチェックしてみましょう。

膝蓋骨周辺の痛み

膝蓋骨周辺に痛みが現れます。膝の裏側が痛む場合も。膝蓋骨を触ると、骨折によるくぼみが分かることがあり、強い痛みを感じます。打撲であれば、打ったところが局所的に痛むことが多いです。

膝蓋骨周辺の腫れ

骨折の衝撃で関節が炎症を起こし、膝全体が腫れることがあります(全く腫れがないケースも見られます)。こちらも打撲であれば、局所的に腫れることが多いです。

可動域の減少

膝蓋骨には、スムーズな膝の曲げ伸ばしを助ける役割があります。そのため膝蓋骨を骨折すると、膝を自由に動かすことができなくなる場合があります。打撲の場合、可動域が制限されることは多くはないでしょう。

 

膝蓋骨骨折が疑われるときの応急処置

膝蓋骨骨折の応急処置

症状の感じ方は人それぞれ。打撲と骨折、どちらか判断がつかず不安な場合は、病院で診察を受けることをおすすめします。膝蓋骨骨折が疑われる場合は、ひとまずRICE(ライス)という応急処置を行ってください。

  • Rest(レスト)……安静
    膝を動かさず安静にする処置です。添え木などを使って、膝が曲がらないように固定しましょう。そうすることで折れた骨が移動してしまうのを防ぐことができます。
  • Ice(アイス)……冷やす
    腫れを抑えるため、氷のうなどを使って患部を冷やす処置です。直接皮膚に当てないよう、タオルなどで巻いてください。
  • Compression(コンプレッション)……圧迫
    出血や腫れを抑えるため、布などを用いて患部を圧迫する処置です。強く圧迫しすぎると血行障害になる恐れもあるので、慎重に行うことが大切です。
  • Elevation(エレベーション)……挙上
    腫れを抑えるため、患部を心臓より高い位置に上げる処置です。椅子などを使って行いましょう。

近くに病院がない場合、整骨院や接骨院でも応急処置のみであれば対応可能です。あくまで応急処置なので、その後は必ず病院に行って整形外科を受診するようにしてください。

 

膝蓋骨骨折の分類が、治療法の判断材料に

膝蓋骨骨折の治療方法には、手術療法と保存療法があります。「膝のお皿の骨折で、手術が必要になるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。骨折と聞くと、ギプスで固定するなどの保存療法が先に思い浮かぶのではないでしょうか。もちろん保存療法も用いられるのですが、膝蓋骨骨折の治療においては手術療法も珍しくはありません。そこで必要なのが、膝蓋骨骨折の「分類」です。

病院を受診すると、問診などと併せてX線検査が行われ、その結果によって治療法が決定されます。一般的に、膝蓋骨骨折で手術が必要なのは「折れた骨同士が3ミリ以上離れていて、関節面では2ミリ以上のずれがある場合」とされています。ただ、この基準にぴったり当てはまるものばかりではありません。どのように膝蓋骨が損傷したかという分類が、医師の診断における判断材料となるわけです。大きく、縦骨折、横骨折、粉砕骨折の3つに分類されます。

  • 縦骨折……膝蓋骨に、地面と垂直方向の亀裂が入った状態。
  • 横骨折……膝蓋骨に、地面と水平方向に亀裂が入った状態。
  • 粉砕骨折……膝蓋骨に、細かく砕かれたような亀裂が入った状態。
膝蓋骨骨折の分類

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横骨折、粉砕骨折の場合、手術が必要となることが多くなります。膝蓋骨は、太ももの筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と膝蓋靭帯(膝のお皿とすねの骨をつなぐ靭帯)によって、それぞれ上下から引っ張られている状態。横方向に骨折した場合、そうした力によって、折れた骨が引き離されることがあります。このような状態で保存療法を行っても、骨の修復は期待できません。また粉砕骨折も、膝のお皿がバラバラになっているような状態。これらのケースでは手術療法が選択されます。

 

膝蓋骨骨折の手術はどんなもの?

膝蓋骨骨折の手術

一般社団法人 日本骨折治療学会

膝蓋骨骨折の手術としては、まず真っすぐな硬い針金で折れた骨を固定します。その針金に細い針金を巻きつけ、さらに固定して骨の癒合(くっつくこと)を待つというもの。骨の欠片がしっかり固定されるため、膝の上下(大腿四頭筋と膝蓋靭帯)から引っ張られて、折れた膝蓋骨が引き離されるのを防ぎます。手術は1時間半〜2時間程度です。

膝蓋骨骨折の手術後、歩けるまでの期間は?

膝蓋骨骨折で上記の手術を受けた場合、術後にギプスを装着する必要はありません。骨の欠片がワイヤーでしっかりと固定されているため、早い段階でリハビリが開始でき、すぐに歩くことも可能に。保存療法よりも治療期間を短縮することができます。

膝蓋骨骨折、入院は必要? 期間は?

術後4〜6ヶ月で針金を抜く

手術後は2〜3日の入院が必要なことが多いですが、状態によってはそのまま帰宅可能となることもあります。ただ、傷口からの細菌感染を防ぐという意味でも、数日間は入院するのが望ましいでしょう。

また、骨の癒合が確認できた段階で、手術に使用したワイヤーを抜くことになります。人によって時期は異なるため断定はできませんが、術後4〜6ヶ月程度が標準。その際にも数日間の入院が必要となります。

 

膝蓋骨骨折で手術が不要な場合、3〜5週間の保存療法も

縦骨折の場合、横骨折や粉砕骨折と比べて手術が不要なケースが多くなります。膝を伸ばした状態でギプスをつけ、太ももから足までを固定することで骨の癒合を目指す保存療法が一般的です。膝蓋骨の損傷具合によっても異なりますが、ギプスの装着は3〜5週間が目安。その後、ギプスを外した段階でリハビリを開始します。

保存療法は「ギプスで固定して回復を待つだけ」といった、マイナスな印象が強いかもしれません。しかし近年、保存療法の一つとして超音波を用いた治療なども注目を集めています。超音波治療では、出力の低い超音波を連続的に患部へ照射することで、骨折の治療を早めるというもの。保存療法における骨折の治療期間が3〜4割ほど短縮されたという報告もあります。治療方法の一つとして考えてみてもよいでしょう。

 

膝蓋骨骨折のリハビリ方法や期間は?

膝蓋骨骨折のリハビリ

膝蓋骨骨折は、保存療法と手術療法で、それぞれリハビリの開始時期が異なります。手術を行った場合、手術の翌日から歩くことも可能。そのため、術後のかなり早い段階でリハビリを開始できます。

保存療法の場合、ギプスを装着後3〜5週間程度で外し、リハビリを始めます。固定していた期間が長いほど可動域は狭まり筋力も落ちるため、より念入りにリハビリを行う必要があるでしょう。完治まで3〜6ヶ月と冒頭で触れましたが、リハビリの状況により前後します。

まず、失われた筋力を取り戻すため、膝蓋骨周辺の筋力トレーニングを行うことが多いです。そこから骨の癒合具合を見つつ、徐々に関節可動域を広げる訓練や荷重訓練を始めます。膝蓋骨骨折のリハビリでは、保存療法と手術療法のどちらにおいても、膝関節の可動域制限を残さないようにすることが大切。ただし、リハビリ中に痛みが出る場合、無理は禁物です。

筋力トレーニング

色々な種類がありますが、代表的なトレーニングをご紹介します。膝蓋骨につながっている大腿四頭筋のトレーニングで、セッティングと呼ばれるものです。

①トレーニングする足を伸ばして床に座ります。
②コンパクトに丸めたバスタオルを、伸ばした足の膝より少し上(太もも下)に敷きます(※1)。
③つま先を天井に向けて立て、タオルをつぶすように膝を伸ばします(※2)。
④この状態を5~10秒キープ。連続して5~10回という運動を1日3セットを目標に行います。
※1:膝が伸びきらない人は、膝より少し下のふくらはぎあたりに敷きましょう。
※2:このとき、太もも前面の内側部分(内側広筋)に力を入れるよう意識するのがポイントです。

関節可動域訓練

関節可動域訓練

膝蓋骨の癒合状況を見て、徐々に関節の可動域を広げる訓練を始めます。膝蓋骨骨折のリハビリで行う場合、理学療法士などの専門家がモビライゼーションと呼ばれる技術を使います。モビライゼーションとは、低速度の刺激を反復して与え、関節の可動域を広げる手法。画像のように膝の徒手的な曲げ伸ばしを繰り返し、可動域を広げていきます。

 

膝蓋骨骨折、リハビリの禁忌は?

膝蓋骨を骨折した状態でやってはいけないのが、膝を曲げた状態で体重をかける動作です。それはリハビリ時でも同じ。先にも触れたように、膝の上下(大腿四頭筋と膝蓋靭帯)から引っ張られることで、折れた膝蓋骨が引き離される可能性があるためです。横骨折や粉砕骨折の場合、その危険性はさらに高まります。

そこで、保存療法と手術療法のいずれにおいても、リハビリの初期段階では「ニーブレース」と呼ばれるサポーターをつけることが望ましいとされています。

膝蓋骨骨折のリハビリで使用するニーブレース(サポーター)

ニーブレース

Axel – アズワン

膝蓋骨骨折でリハビリを開始した段階では、膝を曲げた状態で体重をかけることが禁忌。そこで、リハビリの初期ではニーブレースなどの装具をつけるのが望ましいとされています。これを装着することで、膝が一定以上の角度には曲がらないよう固定されます。

膝を曲げて体重をかける訓練が可能と認められるまでは、膝に負担をかけないようリハビリを行うのが鉄則です。ニーブレースはネットのショッピングサイトでも売られています。

 

膝蓋骨骨折の後遺症を回避するには、早期受診と適切なリハビリを

膝蓋骨骨折に後遺症があるのか、不安な方が多いのではないでしょうか。膝蓋骨骨折は比較的予後の良い外傷ですが、粉砕骨折など重症となった場合、膝の曲げ伸ばしが制限される「可動域制限」が後遺症として残る可能性はあります。

しかし、膝が拘縮(関節が固まって動きが悪くなった状態)を起こさないように適切なリハビリをすることで、後遺症のリスクは格段に減らすことができます。膝蓋骨骨折は、受傷時より重症化させないことが大切です。安易な自己判断は避けて早めに受診するようにしましょう。

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コメント

  1. mie says:

    10日前に、75才の母が転倒し膝の粉砕骨折と判断され入院。
    怪我した当時は手術という話でしたが、担当医がわ代わり手術なしとのこと。
    翌日からリハビリで歩かされ、10日目で車椅子も外されました。
    バラバラになってはいないかもしれませんが、75才骨粗鬆症の年寄りが、直ぐに歩き出して皿は繋がるのでしょうか?
    かなり痛みがあるようです。
    2週間で退院してくださいと言われ、一人くらしの母が心配です。
    この状態での早期リハビリは正しいのでしょうか?

    1. ひざ痛チャンネル編集部 says:

      通常膝蓋骨(膝のお皿)の骨折では横割れの場合は手術になります。
      メールを拝見させていただく限り縦割れだったのでしょうか?
      その場合は安静目的で長期間ベッドで寝たままですと、静脈血栓塞栓症での死亡リスクが高まる可能性もあり、離床を促しリハビリを進めていきます。
      どれくらいの期間で歩くのが適切かの判断は画像や状態を診断しないとお答えできかねますが、折れ方、割れ方によっては、早期リハビリは正しいかと思います。

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