意外と身近?再生医療を行う病院数&拡大予想レポート

日本全国

再生医療って言葉ではよく耳にするようになったけど、受けられるのなんてず〜っと先の話でしょ? なんて思っていませんか? 確かにiPS細胞の京都大学をはじめ、ひざ再生医療では、滑膜由来幹細胞の活用を研究する東京医科歯科大学、軟骨培養シートの東海大学、骨髄由来幹細胞で骨をつくる奈良県立医大など、ニュースでは研究段階のものをよく見かけますよね。でも実は、すでに受けられる治療もあるんです。そして、そんな再生医療を提供する病院は全国にいくつも存在します。

ここでは、実際にどれくらいの施設が再生医療を扱っているのか、リアルな数字をご紹介! さらに、再生医療は近い未来でどのくらいまで広まるのか、国の試算を解説します。あなたの予想どおり? それとも予想以上? 今すぐチェックしてみましょう。

 

再生医療を提供する整形外科は、50施設以上

病院

2018年4月から、富士フィルムがあるCMの放映を開始しました。その内容は、広島大学の越智教授から技術移転を受け、日本で始めてひざの自家培養軟骨をつくる技術を確立したというもの。ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか?

再生医療と言うと、イメージはiPS細胞などをはじめとする「ザ・研究」かもしれません。ですが今では、皆さんがイメージしているほど縁遠いものでもなくなっています。富士フィルムのように、企業が一般に向けての宣伝で再生医療を打ち出し始めていることも、その一端と言えるのではないでしょうか。

 

「いま受けられる病院はどのくらい?」がわかる数値

実際、整形外科領域だけでも全国で50以上もの施設(※1)が、すでに自由診療で再生医療の提供を始めています。自家培養軟骨の技術を用いた治療にいたっては、2013年から保険適応を受け(※2)、扱う施設は全国で234施設(2018年5月現在)。そして2017年9月の段階で、すでに120施設で移植実績が確認されているのです。

ニュースでは研究段階のものが目につきますが、「再生医療元年」と言われた2014年以降、実はぐんと身近なところまで再生医療は広まっているんですね。

(※1)再生医療を提供するためには、厚生労働省に届け出て、厳しい審査と許可を受ける必要があり、その届出が受理された総施設数から、整形外科領域に対して治療を行う施設をカウントした数値になります。
【参考資料】「再生医療等提供機関一覧」厚生労働省ホームページ
(※2)外傷性軟骨欠損症と離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)で、4㎠以上軟骨が欠けている場合が対象

 

再生医療の近い未来を経産省が予測

再生医療の研究を始め、その周辺の産業がにぎわうということは、それだけ身近な選択肢となるわけですから、私たちにも多くのメリットを見込むことができます。では、どれくらいの規模の拡大が予想されているかと言うと、それはまさに桁違い! 経済産業省が発表している、下記のグラフをご覧ください。

経産省の予想する再生医療周辺産業の規模拡大グラフ

2012年には170億円だった再生医療の市場が、たったの8年で約5.6倍の350億円になる見通し。それだけでも、かなり身近になりそうだと想像できますが、2030年にはさらに5.6倍上乗せの5500億円、2050年には1兆円超えとのこと。ここまでくると規模が大きすぎて、実際にどんな社会になっているか想像するのが難しいですね。でも、期待はすごく膨らむ数字ではありませんか?

 

みんなが注目してるから、再生医療はこんなに広がる

確かに、数年前までは「再生医療って、なに?」といった状況でした。ですが今や、テレビのバラエティ番組でも再生医療が紹介される時代。再生医療を提供する施設が全国にあり、その周辺の産業も5年、10年で大幅に様変わりするという見通しを国が提示するほどです。再生医療が一時の盛り上がりで展開されているわけではないところに、安心感を覚える人もいるのではないでしょうか。

こういったことはあまり知られていないので意外だったかもしれませんが、再生医療の実用化は、もうここまで進んでいるのです。