ひざ痛チャンネル編集部
2018-02-02

膝が痛いが原因不明……40代の5大プロブレムと必須アクション

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膝が痛いが原因不明……40代の5大プロブレムと必須アクション

膝が痛い。だけど病院に行っても原因が分からない……。40代にはそんな人が多いようです。40代は膝にとって、まさに過渡期。それは、まだはっきり診断できる疾患に至っていないだけとも考えられます。ただ、今その膝の痛みにどう向き合うかで、老後の生活ががらっと変わると行っても過言ではありません。まずは原因を知り、対処法の優先順位をつけましょう。

この記事では、40代の膝の痛みを引き起こす5つの要因を詳しく解説します。また、放置するとどんな恐ろしいことが待っているか、そうならないために今すぐ始めなければならないことを、厳選して提案。変形性膝関節症など、膝関節の病気を発症してしまうと治療するのは簡単ではありません。ただ、今の段階で食い止める術が身につくはずです。

 

膝が痛くなる要因〜40代の場合〜

では早速、膝の痛みの要因について確認していきましょう。膝関節や筋肉の状態から外的要因まで様々ありますが、考えられる主なものは5つ。「軟骨の劣化」「筋肉量や柔軟性の低下」「関節アライメントの変化」「靴の問題」「肥満」です。

 

1 軟骨の劣化

膝の軟骨組織の成分構成

膝関節を守る重要な組織の軟骨ですが、年をとるごとに劣化していきます。軟骨組織を構成する成分の70%は水。その他は、20%のコラーゲンと10%のプロテオグリカン、2%の軟骨細胞からなっています。膝関節を守る役割としては、軟骨の形状を保つ”つなぎ”となるコラーゲンと、粘弾性でクッション性を担うプロテオグリカンが直接関係。ただし、これをつくっているのは軟骨細胞です。

細胞というものは酸化ストレスに弱いのですが、軟骨も例外ではありません。他の物質を酸化させる活性酸素などの影響から、年をとると、軟骨にかかる酸化ストレスが大きくなります。それでなくても、酸化を抑える働きは年齢とともに弱くなります。すると、軟骨がコラーゲンやプロテオグリカンを産生する作用が低下。つまり、軟骨がもろくなり、すり減るなどの損傷が進んでしまうのです。

さらに、老化によって軟骨細胞が生み出す成長因子の量が減少することも分かっています。これにより代謝反応も悪くなるため、軟骨は傷つくいっぽうというわけです。

40代はまだまだ若いと思われている方も多いでしょう。確かに見た目には中年と言うのもはばかられる人もいます。ただ、関節の中ではこういった減少が起こり始めています。

【参考文献】
「関節軟骨細胞の老化とストレス応答を利用した変形性関節症治療」高橋 謙治 日本医科大学医学会雑誌第7巻第4号,2011

 

2 筋肉量と柔軟性の低下

40代の膝の痛みと筋肉

膝関節と密接な関係にある筋肉。曲げ伸ばしという動きを司る他、膝への負荷を軽くする役割も担っています。そんな筋肉が減少、つまり筋力が低下すると当然、膝への負荷は大きくなります。弱っている軟骨へのさらなる追い打ちとなるわけです。

また、筋肉の問題は減少ばかりではありません。筋肉の柔軟性を失うことも、膝の痛みを引き起こす要因となります。というのも、硬い筋肉は収縮し続けている状態。これだとオーバーユース(使い過ぎ)やマルユース(誤使用)になりがち。それによって起こる靭帯の炎症で、膝が痛くなることがあります。さらに、筋肉が硬くなるということは、筋肉が短くなることでもあります。すると必然的に膝可動域が狭くなっていき、膝を曲げると痛いという症状を引き起こす可能性が考えられるのです。

こういった筋肉の問題には、やはり加齢が関係しています。筋肉量で言うと、20代から加齢に伴いどんどん減少の一途をたどります。その岐路となるのが、40代というわけです。

 

3 関節アライメントの変化

膝の痛みとO脚

アライメントとは、配列を意味する言葉です。ここで言うアライメントは、股関節から膝関節、足関節(足首の関節)までの配列のことを指します。具体的にはO脚やX脚などがあげられます。生活習慣などの要因からくる骨盤の歪みも大きな原因ではありますが、40代で気にすべきはやはり老化によるもの。原因1の軟骨、原因2の筋肉に加え、骨が老化で弱くなることも関節のアライメントの変形に関係します。女性の場合、もともと筋肉量も男性より少ないですし、女性ホルモンが急激に減少するこの年代こそ、骨の老化がより進行してしまう可能性が……。

O脚やX脚になると、一定箇所に負担が集中します。O脚なら膝関節の内側、X脚なら外側といった感じです。このように膝への負荷が大きくなり、膝痛を起こしやすい状態になっているのです。

 

4 靴の問題

膝の痛みと靴の関係

足に合わない靴が良くないことは、みなさんご存知かと思います。特に膝に関して言えば、靴の影響で体の重心位置が変化して、膝への負担が増えることが言えるでしょう。では、これをなぜ40代の原因としてあげたか。それには、他の原因が関係しています。つまり、老化ですね。例えば20代でも、合わない靴は少なからず膝に悪影響を及ぼします。ただ、何度も言うように、40代は一気に老化が進む体の過渡期。少しの膝の負担増でも、軟骨がすり減りやすいし、関節のアライメントが変化しやすいと考えられます。そのため、40代は特に靴やインソールに気を使いたいところです。

特に女性ならハイヒールというそもそも不安定な靴を履くことも多いでしょう。また、硬い革靴を長時間はいて歩く営業マンも、靴の影響を受けやすい傾向に。また、立ち仕事のなかでも、調理場で働く人は靴の工夫で膝への負担を軽減したいところです。なぜなら調理場は、排水を良くするために床に少し傾斜をつけていることが多いから。不安定な場所で長時間立っているため、無意識のうちに膝への負担が溜まっている可能性があります。

 

5 肥満

体重が増えれば、それだけ膝への負荷も増します。しかも、増えた重さと負荷がイコールではありません。実に、2.5〜3.5倍の負荷がかかっているのです。そのため、平均体重(厚生労働省の発表では、男性が70.5kg、女性が54.7kg/男性170.9cm、女性157.9cmという平均身長から算出)以上なのであれば、なるべく減量するよう心掛けたいところ。そうは言っても、体重はなかなか減らないですよね。それもそのはず。基礎代謝は加齢によって低下します。グラフからも、40代はかなりの落ち込みであることがご覧いただけるでしょう。つまり、脂肪も燃焼しにくくなっているわけです。

基礎代謝の基準値

情報元:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)

 

●年代別の肥満の割合

年代別の肥満の割合

肥満者(BMI≧25 kg/m 2 )の割合(20 歳以上、性・年齢階級別、全国補正値)平成 28 年 国民健康・栄養調査結果の概要

 

40代で膝の痛みを放置するリスク

膝の痛みを進行させないためにやるべきアクションの前に、まず放置するリスクを少しお話したいと思います。まだ膝の痛みが軽度の人も、読めば放置はできないはずです。

 

膝痛の放置による要介護のリスク

お話したように、40代の膝の痛みは一気に進行する要因を抱えています。痛みだけでなく、膝のこわばり膝が伸ばしにくい、ギシギシ、コキコキなどの音が膝でする場合、変形性膝関節症の予備軍とも言える状態です。変形性膝関節症になれば、治療するのは困難です。進行すれば、膝の痛みから日常生活の動作にも支障が発生。歩けなくなるということも……。そう、寝たきりになる可能性が高まるのです。厚生労働省の発表では、介護が必要になる数ある原因のうち、関節疾患や骨折・転倒など、膝にも関係する原因は、実に全体の22.3%を占めます。

 

10年介護が続くと介護費用は総額800万以上!?

家計経済研究所が発表した2016年の調査結果によると、在宅介護にかかる1ヵ月あたりの平均費用は、1人あたり6万9千円だそうです。内訳としては、介護サービスの利用料が3万7千円、おむつや医療費などのサービス以外にかかる費用は3万2千円となっています。

ここで、要介護期間がどれくらいなのか見てみましょう。2013年時点のデータになりますが、日本の平均寿命は男性が80歳、女性が86歳。これに対し、健康寿命は男性71際、女性76歳。実に約10年もの違いがあり、その間が要介護となります。つまり、介護が10年続くと考えられるわけですから、単純計算ではありますが、介護に必要な費用は総額828万円! 介護されるご自身やご家族にとって、大きな負担となってしまうことは言うまでもありません。

【参考文献】
「在宅介護にかかる費用」家計経済研究所

平均寿命と健康寿命の差

平均寿命:厚生労働省「平成25年簡易生命表」より算出
健康寿命:構成労働省「平成25年簡易生命表」「平成25年人口動態統計」「平成25年国民生活基礎調査」、総務省「平成25年推計人口」より算出

 

膝が痛い40代が今すぐやるべき3つの必須アクション

10年介護は極論かもしれませんが、膝が痛いとQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)が低下することは確実です。いつまでも人生を謳歌(おうか)する、自分の生涯を現役で過ごすためにも、40代の今から手を打ちましょう。

やった方がいいことはたくさんあります。でも、まだまだ子どもも手がかかり、働き盛りの40代。いろいろ言われても難しいですよね。そこで、膝が痛い40代には絶対かかせない行動だけを紹介します。

 

大腿直筋のストレッチ

理想を言えば、筋トレで筋肉量を増やせればベストです。ただ、普段運動をしていない人の場合は、筋肉量を低下させないことを前提に、筋肉の質を良くすることを第一目標としましょう。

そこで行うのがストレッチですが、なかでも大腿直筋(だいたいちょっきん:太もも前側の筋肉)の運動を行いましょう。というのも、運動不足になりがちな40代はこの筋肉が衰えて、硬くなっているケースが多いからです。大腿直筋は膝の曲げ伸ばしに深く関係しているし、膝の負担もサポートする筋肉。衰えてしまうことで、その動作がしづらくなったり、膝に痛みが生じてしまうわけです。でも、適度な運動で筋肉量を維持し、その筋肉を柔らかくしなやかな筋肉にすれば、膝の痛みは和らぐでしょう。

 

大腿直筋のストレッチ方法

動画では大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチとして紹介していますが、こちらのストレッチで大腿直筋にアプローチすることができます。大腿四頭筋は太もも前面の4つの筋肉の総称で、そのうちのひとつが大腿直筋だからです。

最もオーソドックスなストレッチ方法で、道具も必要ありません。仕事の休憩中や家事の途中に、ぜひ取り入れてみてください。

 

体重のコントロール

原因でも説明したように、膝への負荷は体重の倍以上です。例えば体重60kgの人の場合、ただ立っているだけでも、膝には150kgの負荷がかかっていることになります。でも逆を言えば、体重を落とすことで、同じ倍率の負荷を軽減できるということなのです。適正体重は「 (身長m)2 ×22」の計算式と言われています。これを目安に、体重が維持できる生活を行いましょう。

 

食生活のアドバイス

40代のタンパク質摂取目安

体重をコントロールする上で、バランスの良い食事は外せません。極度な食事制限では、筋肉量が落ちたり、それが進んでサルコペニア肥満になる恐れもありますからね。サルコペニア肥満とは、筋肉が減って脂肪に置き換わってしまった状態。メタボリックシンドローム以上に生活習慣病になるリスクが高いと言われています。60代以降に多く、40代での発症は少ないのですが、だからこそ今、予防することが大切なのです。

厚生労働省の報告書によると、一般的な活動量とした場合、30〜49歳の1日あたりの推定必要エネルギーは、男性が2,650kcal、女性が2,000kcalです。このうち、13〜20%は良質なタンパク質を摂取するように心がけるようにしましょう。

【参考文献】
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書

 

運動のアドバイス

膝の痛みと加圧トレーニング

1日に消費されるエネルギーの60〜70%は基礎代謝が関係しています。そして、基礎代謝は季節によっても変動(※1)。寒い時期ほど代謝は高まっているのです。そして、基礎代謝の40%は筋肉によるもの。つまり、基礎代謝があがっている今の時期こそ、体質改善して体重コントロールしやすくするためにも、筋肉量の維持や増加が大切と言えます。

まだまだ体の動く40代ですから、スポーツジムに通うのも良いでしょう。なかでも、加圧トレーニングがおすすめ。加圧トレーニングは細胞を活性化させる成長ホルモンの分泌が、通常のトレーニングよりも高いと言われています。もちろんその作用には個人差はあるかと思いますが、筋肉を効率よくつけるための作用の他に、脂肪の燃焼や骨密度のアップも期待でき、膝に良いことづくし。20分ほどの軽い運動でも、筋肉への負荷は高いので、膝が痛くても無理なく行うことができます。

【参考文献】
※1「基礎代謝の加齢並びに季節変動」大島寿美子ほか 栄養学雑誌 1972.11 30巻6号p240-251

 

膝を温める

膝の痛みと保温サポーター

痛みを悪化させる要因のひとつが、冷えによる血行不良です。血行が悪くなるということは、体の代謝が悪くなるということ。そのため膝が冷えて結構が悪くなれば、関節内に発生する炎症を強める化学物質や疲労物質が排出されません。これを放置すると、膝が腫れたり、痛みも広がってしまいます。さらに言えば、冷えは筋肉を硬くこわばらせます。筋肉の柔軟性が失われれば、膝にかかる負荷もうまく受け止められなくなってしまうのです。

これは40代だからこそというわけではありませんが、すでに膝が痛いのであれば、冷えないようにするのは必須。保温用の膝サポーターなどをうまく利用して、膝の冷えを予防しましょう。

 

40代以降は膝を守る意識を高めましょう

何度も言いますが、40代はお膝の曲がり角。膝の代表的な病気の変形性膝関節症も、40代以降、急激に有病率が増加する傾向にあります。そして、こういった関節症は発症して痛みが強くなると、治療するのが難しい病気です。つまり、違和感やまだ診断に至らない今こそ、膝の痛みが悪化しないよう、上記のようなことを心掛けて予防に力を入れる時期なのです。

寝たきりで人生の10年を費やすか、楽しく10年を謳歌(おうか)するか。あなたの今日からの生活が決定づけるかもしれません。

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